内容説明
儂は九州をひとつの国にする
――読み継がれる北方歴史文学の原点
叡山を出て六年余、一三四二年のその日、後醍醐天皇の皇子にして十四歳の征西将軍・懐良は、ついに九州の地を踏む。
それは九州全土を南朝の旗の下に統べるという途轍もない戦いの始まりであった。
薩南で島津と対峙していた時、菊池武光という若者が訪ねてきたことから、
懐良の運命は加速する……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イコ
3
ややこしい時代の九州の話、上巻は筑後川の戦いまで。皇族の大塔宮護良親王が破格の人物と思いきや、懐良親王もなかなかの人物で、後醍醐天皇の滾る血を受け継いでおり有能、菊池武光と共に名武将だったのが知れた。この時代の他の本も読んでいるが、日本人が一番激しかった時代な気がする。2024/09/28
nonbiri nonta
1
敗勢の色濃い南朝で最後に輝きをみせた九州の懐良親王。肥後の菊池武光の力を借り足利幕府の九州探題や太宰府の少弐氏を妥当するまでの上巻。 勝利をおさめた親王の目は京への進撃ではなく海を越えて半島、大陸との交流に向けられているかのようだが、果たして夢はかなうのか。 下巻では幕府の新たな探題今川了俊登場か。2024/05/08