内容説明
癒やしのファシリティドッグのピーボと、わけあり警察官が知られざる重大事件を鮮やかに解決!
史上初!? 犬が主役の警察小説が登場!
ファシリティドッグのピーボは警察病院の小児病棟に常勤して患者の治療計画にも介入する癒やしのゴールデンレトリバー。賢くてふさふさの毛並みで子供達に大人気なのだが、実は密命を帯びていた。特別病棟に入院する受刑者と接し、彼らから事件の秘密や真犯人の情報などを聞き出すこと。死を前にした犯罪者はピーボに癒やされ、誰にも語ったことのない秘密を語り出すのだった。それを端緒にして、ハンドラーの笠門巡査部長とピーボは捜査を開始する――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
309
人間の友達、ゴールデンレトリーバーのピーボは警察病院で患者達を癒すファシリティードッグでハンドラーの笠門巡査部長とコンビを組んで入院中の犯人が漏らした言葉から隠された事件を掘り起こして解決に導きます。人間の望む通りに振る舞って癒しと元気をくれるピーボくんは誠に健気なワンコで愛すべきアイドル犬ですね。ミステリとしてどうしてもワンパターンになる傾向は致し方なく後半でストーリーを複雑化して工夫されていますが、やや苦戦を感じますね。シリーズ化は困難でしょうけれど何とか実現して欲しいですね。#NetGalleyJP2024/04/12
パトラッシュ
225
超能力で犯罪を解決するミステリは特殊設定物などで見かけるが、何でもありだけに論理的な展開が意外と難しい。著者は前作『一日署長』でも示した、日常と非日常を結ぶ構成力で巧みな短篇に仕立てた。今回は警察病院のファシリティドッグが入院した犯罪者の秘密を見通す能力を持っていて、それに従って未解決事件を再捜査していく展開。いずれも警察上層部が超常現象を認識して秘密裏に運用しながら、一方で証拠を探す地道な捜査が並行する。いわば本格系と特殊設定の中間に新たなドラマを見い出して、鮮やかなユーモアミステリとして成立している。2024/02/14
いつでも母さん
166
存在は耳にしたことはあったが、名前は本作でしっかり刻まれた。「ピーボ」なんて賢いのでしょう。カバーのピーボの首輪には警察のマークが付いてある。続編が出たら絶対に読むからね、頑張れピーボ!2024/02/09
KAZOO
140
この著者の作品はアンソロジーで読んだことがあるのですが、かなりの警察小説を書かれているとは知りませんでした。これは警察犬ではなく、ファシリティードッグということで、警察病院にいる犬好きな犯人からそのほかの犯罪の情報を得て真相を究明していきます。主人公である犬はゴールデン・リトリバ―でその専門の担当は看護士上がりの巡査部長です。犬はさまざまな表情やしぐさでヒントを耐えてくれます。5つの連作ですが続きを読みたい気もしました。2025/05/21
雅
134
ファシリティドッグというのを初めて知りました。確かに癒しになりそうです。犯罪部分はちょっとダークだけど、面白かったです。2024/07/31