内容説明
周りに合わせ、作り笑いばかり浮かべてしまう八枝は自分の笑顔が嫌いだった。そんな中、高校に入り始まった“ペアリング制度”。相性が良いと科学的に判定された生徒同士がペアとなり、一年間課題に取り組んでいく。しかし、選ばれた八枝の相手は、周りを気にせずはっきり意見を言う男子、沖浦だった。相性は98%、自分と真逆で自由奔放な彼がペアであることに驚き、身構える八枝。しかし、沖浦は「他人じゃなく、自分のために笑ったら」と優しい言葉をくれて・・・。彼と過ごす中、八枝は前に進み、“自分の笑顔”を取り戻していく――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
栗山いなり
7
自分の笑顔が嫌いな女子高生が『ペアリング制度』でペアとなった少年との交流を軸として成長していく青春小説。レーベルらしい作品だなとは思ったがそれだけに?読ませる力はあったように感じる2024/01/26
色素薄い系
3
面白かったです。終盤の実は〜って部分はそんな事ある?とは思うけど許容範囲なので良し。笑顔が変だとからかわれた件で他人からの目を極度に気にしてしまうようになった八枝が再び笑顔を取り戻せて良かった。こういう見えないモノを可視化するシステムは基本悪だと思うんですよ…相性の良し悪しで友達になってる訳じゃないし。みんなそれぞれ悩みがあって知らないからこそ知っていくという事が大事だよねと思いました。後日談の沖浦くん視点の話が好き。興味ない相手にはドライな対応って言われていたのに八枝には最初からそうじゃなかったしねぇ。2024/02/27
史
2
うーん。別にSFチックな世界観じゃなくても成り立っているよう気がしますね。というのもその過去の傷とそれで苦しむことはあまり制度とは関係のない感じがするんですよね。心が疲弊し息が詰まる展開に対して、「それは彼女だけではない」と嫌な大人のようなことは言いませんが、それでもそれはどんな世界や境遇でも起こりうることで、それを特別な世界で映すことの意義は見えなかったかなあと。偶然的で運命的というのは王道であるからこそ、このシチュエーションならではのなにかが欲しかった(具体的なのは思い浮かばないが)。なんとも。2024/03/14
FP
1
ペアリング制度という相性の良い生徒二人をシステムにより判定し高校生活に取り入れる制度があるのが特徴的な作品。 中学の頃、からかわれた経験で気弱になった少女がペアの少年の言葉や行動で徐々に自信を取り戻していくお話。一人称で丁寧に物語が紡がれていき読んでいて面白かったです。2024/03/08
みやび
0
☆32024/01/30