内容説明
アメリカには下記のような、「市民探偵」が多くいる。
・40年逃げ続けた「黄金州の殺人鬼」を追い詰めた作家
・娘を殺したギャングをSNSの偽アカウントで騙して捕らえた母親
・身元不明遺体の頭蓋骨から似顔絵を描き、何百枚もの写真から見つけた会計士
・仕事から帰宅し、家事を終えると夜な夜なコンピュータの前に座り捜査をする手芸店店員
・猫をいじめる動画をネットに上げた犯人を、その動画の背景から割り出そうとするアナリスト
実際に起きたいくつもの事件とそれを解決した市民探偵たちへの取材から
あまり知られることのない彼らの正義と執念を描いた一冊。
連続殺人鬼に遭遇した人の証言など、手に汗握るスリリングな面も。
Netflix『猫いじめに断固NO!:虐待動画の犯人を追え』『なぜ殺したの?』、映画『ザ・スレッド』など映像化された事件も掲載。
<目次>
1 なぜ彼女を殺したの?
2 世界初のサイバー探偵
3 私の初めての「事件解決」
4 Web探偵
5 マザー・ロード
6 捉えられた黄金州の殺人鬼
7 フォーエバー・ヤング
8 すべては殺人からはじまった
9 『猫いじめに断固NO!:虐待動画の犯人を追え』
10 ルカ・マグノッタの仮面を剥ぐ
11 バイオインフォマティクス(生物情報学)のロード氏はまさに神
12 探偵がしくじるとき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
41
善意の執念が身を結ぶ数々の事例が紹介され社会的意義を感じたが、安易にヒートアップし、間違った情報が拡散されしかも容易に取り消せないSNSの怖さに改めて思いを馳せた。章立ての影響か、どちらかというとその読後感の方が強い。2024/04/20
チャッピー
38
娘を殺した犯人にSNSで接触し居場所を割り出す遺族、身元不明遺体と行方不明者リストを照らし合わせ何年もかけて被害者の身元を突き止める善意の市民など、実際におきた事件をひも解くノンフィクション。2024/04/12
ぽてち
34
推理小説の世界では当たり前の“素人探偵”だが、それを地で行く驚異の人々を取材したノンフィクション。もちろん、なんの権利も背景もない人達なので、武器となるのはインターネットだ。驚くべきはその執念で、発生から40年以上も経った連続殺人犯を突き止めた例もある。犯人だけでなく被害者の身元の特定に貢献したケースも多く取り上げられていて、遺族の心情に思いを馳せた。しかしSNSによる犯人特定の暴走で、無関係の人が被害を被る場合もあり、日本でも問題になった。興味深く読んだが、写真が掲載されていればなおよかった。2024/07/20
garth
25
これ、結局役に立っているのはDNA系譜学とかDNAプロファイリングとかの身元調査部分だけで、大いに喧伝された「黄金州の殺人鬼」事件でさえ(マザーロード作戦ははたして意味があったのか)、アマチュア探偵たちは犯人にたどりつけなかったわけだし。犯罪マニアが真実に近づけるなどというのは結局幻想では……と自省をこめて思うのだ。2024/01/18
yutan2278
23
アメリカには40年逃げ続けた「黄金州の殺人鬼」を追い詰めた作家など「市民探偵」と呼ばれる人たちがいる。 実際に起きたいくつもの事件とそれを解決した市民探偵たちへの取材からあまり知られることのない彼らの正義と執念を描いた一冊。 連続殺人鬼に遭遇した人の証言などもあって、なかなか面白かった。個人情報保護が行き過ぎてる感のある日本では、こういうことは難しいだろうなぁ。2024/06/28
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