平和をつくる方法 - ふつうの人たちのすごい戦略

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平和をつくる方法 - ふつうの人たちのすごい戦略

  • ISBN:9784760155439

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内容説明

★紛争研究会が選ぶ「2022年ブック・オブ・ザ・イヤー賞」最終候補作

★寄せられた賛辞の一部
「平和は可能だがむずかしい。…大きなアイデアと現場のファクト、その両方を知る専門家に耳を傾けることが欠かせない。『平和をつくる方法』は人類の最も崇高な試みについて新たな洞察を与えてくれる」──スティーヴン・ピンカー(『暴力の人類史』著者)

「セヴリーヌ・オトセールは、コンゴであれ、コロンビアであれ、アメリカであれ、日々、地域社会で暴力を減らすために努力している普通の女性や男性の物語を語る。読者に行動を促す、魅惑的で感動的な物語だ」──デニ・ムクウェゲ(2018年ノーベル平和賞受賞者)

「『平和をつくる方法』は、ありふれた国際政治の本ではない。まわりの世界の見方を変える一冊だ」──リーマ・ボウイー(2011年ノーベル平和賞受賞者)

★内容
平和構築という言葉は、私たちが何度も耳にした物語を想起させるかもしれない。ある地域で暴力が発生すると、国連が介入し、ドナーが多額の支援を約束し、紛争当事者が協定に署名して、メディアが平和を称える。そして数週間後、ときには数日後に、暴力が燃えあがる──そのような物語。

はたして、私たちに持続可能な平和を築くことなど可能だろうか? 可能だとすればどのように? そうした問いに答えるのが本書である。

著者は、善意にもとづくが本質的な欠陥を抱える「ピース・インク」と彼女が名付けるものについて──その世界に身を浸しながら(参与観察)──考察する。最も望ましくない状況であっても平和は育まれることを証明するために。

そのため、従来とは異なる問いの立て方もする。つまり、〈不思議なのは…紛争解決の取り組みが失敗するのはなぜか、ではない。ときどき大成功を収めるのはなぜか、だ〉。

そう、多くの政治家や専門家が説くのとは反対に、問題に大金を投じても解決策になるとはかぎらない。選挙で平和が築かれるわけではないし、民主主義はそれ自体が黄金のチケットではないかもしれない(少なくとも短期的には)。

では、ほんとうに有効だったものは何か。国際社会が嫌う方法だが、一般市民に力を与えることだ。地元住民主導の草の根の取り組みにこそ暴力を止めるヒントがある。そしてそれは、私たち自身の地域社会やコミュニティ内での対立の解決にも役に立つ。

本書は、20年間の学びがつまった暴力を止めて平和を始めるための実践的ガイドである。

目次

序文(リーマ・ボウイー、2011年ノーベル平和賞受賞者)
まえがき 戦争、希望、平和

第一部 可能な和平
第一章 平和の島
第二章 ロールモデル

第二部 ピース・インク
第三章 インサイダーとアウトサイダー
第四章 デザインされた介入

第三部 新しい平和のマニフェスト
第五章 一つひとつの平和
第六章 役割を変える
第七章 自国の前線

謝辞
附録 参考資料
読書会での議論の手引き
授業の手引き

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どら猫さとっち

7
今も紛争が起きている最中、本書は一縷の希望ではないか。アフリカ、中近東などで起きている紛争で、どうしたら平和を実現できるか、させるか。紛争地域で調査をしてきた著者が見て考えてきた、平和への意味。普通の人たちが考え、実行に移す姿が清々しい。本書に関する平和を、今の日本はどのように受け止めるか。そしてウクライナ、ガザの情勢について、著者がどう感じているか知りたい。2024/02/14

チェアー

6
平和を構築するのは、紛争の当事者、そこに暮らす人々以外にない。外から支援、介入に来るためには、現地の人々と同じ認識や利害を持つべきだ。あるいは、現地の人々の要求に応じて、自分の専門性を提供すべきだ。 2024/01/31

Jessica

3
2022年紛争研究会の「ブックオブザイヤー賞」最終候補作。 著者セブリーヌはコロンビア大学の政治学教授で、善意に基づくが本質的な欠陥を抱えるという「ピースインク」について考察するという本作。20年間にわたるケーススタディを基に読み解く、という内容だが難しくて半分も理解できませんでした。 著者は、トップ同士の握手よりもだいじなのは、市民の人々がそれぞれの文化を尊重しながら、地元住民主導の草の根運動等自らの手でコミュニティを構築していくことだと。 2024/05/30

古民家でスローライフ

2
20年以上に渡って国際援助の世界に関わってきた著者による、紛争地域においてのリアルな平和構築の方法論について語った一冊。紛争地域において、長らく、国連などの一部のエリートによるトップダウンによる問題解決が試みられてきたが、それは、近年のアフガニスタンなどの例を示すまでもなく、効果がないことが明らかになっている。著者は、紛争地域の住人と時間をかけて対話をすることで、問題を明確にして、少しずつ、解決していくことが重要だと説いている。実際に、紛争地域に足を運び、それを実践してきた人間の言葉には大きな説得力がある2025/02/01

takao

2
ふむ2024/07/05

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