隆明だもの

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隆明だもの

  • 著者名:ハルノ宵子【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 晶文社(2023/12発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794973832

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内容説明

吉本家は、薄氷を踏む
ような〝家族?だった。

戦後思想界の巨人と呼ばれる、父・吉本隆明。
小説家の妹・吉本ばなな。
そして俳人であった母・吉本和子――
いったい4人はどんな家族だったのか。
長女・ハルノ宵子が、父とのエピソードを軸に、
家族のこと、父と関わりのあった人たちのことなどを思い出すかぎり綴る。

『吉本隆明全集』の月報で大好評の連載を、加筆・修正のうえ単行本化。
吉本ばななとの姉妹対談(語りおろし)なども収録する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

131
著者は吉本隆明さんの長女。「吉本家は、薄氷を踏むような家族だった」という一文が全てを象徴している。隆明さんと妻の和子さん、次女の吉本ばななさんと(そして、著者自身も)、登場人物のキャラが余りにも立ちすぎて、抱腹絶倒の面白さ。吉本隆明信奉者の幻想を粉砕してしまったのではと著者は心配するが、そんなことはない。ここに描かれている隆明さんの実像には、妙に腑に落ちる納得感がある。父と母を偽悪的に戯画化して描きながらも、深い理解と愛情に支えられた文章は、正に、吉本隆明全集の月報に相応しい素晴らしい連載である。面白い!2024/02/03

アキ

102
「群れるな。ひとりが一番強い」と父に刷り込まれた長女で漫画家ハルノ宵子の父親に関するエッセイ。娘から見た父親は、タダのオヤジであり、かの吉本隆明でも同じである。吉本家は薄氷を踏むような家族であり、その緊張を長女の多子が和らげていた。天草生まれの隆明が西伊豆の海で溺れた1996年を境に戦前・戦後のランドマークとなり、ボケてからの下の世話も長女がした。しかし父の圧倒的な仕事の量と質、そして何の組織にも属さず大学教授などの定期収入もない中で家族と猫を養い続けてくれた並はずれたパワーに、感謝と尊敬と誇りを感じる。2024/06/09

どんぐり

79
漫画家ハルノ宵子のエッセイと姉妹対談、菅原則生が著者に聞く“隆明だもの”の3部構成。「群れるな。ひとりが一番強い」と父・吉本隆明に刷り込まれたハルノ宵子が、父親と家族の思い出を語る。自傷タイプの母親、サヴァン症候群だったのではないかという父親、7歳差の妹吉本ばなな。お互いに踏み込んではいけない家族の領域があり、見ない聞かない言わないことでかろうじて“家族”が成り立っていた吉本家。そんな家族のエピソードがポロポロと出てきて、吉本隆明に抱く幻想を粉砕してくれる。→2024/04/16

ネギっ子gen

79
【あの隆明が、友達から奥さんを奪ってしまった、と生涯悩んでた】吉本教信者の幻想粉砕本(笑)。書影:著者によるイラストが絶品。本文イラストも良し。父親や家族のことなどを綴った書。妹・ばななとの対談も収録。「吉本隆明全集」の月報連載等に加筆。宵子は、<詩はいつだって根底にあった。父の書物は、すべてに見える――と言ったら、私は頭のヘンな人だろうか。初期の正に人々を凍らせ、未来ある若者をドロップアウトに引きずり込むような、瑞々しくも暴力的な詩のことばは、なりをひそめても、詩と科学と霊性が、父の思想の地下水>と。⇒2024/03/13

nonpono

77
妹の吉本ばなながデビュー前に糸井重里のお団子屋さんでバイトをしていたのは知っていたが、糸井重里がお父さんの吉本隆明に会いにお家に顔を出していたのですね。いろんな人の溜まり場だった吉本家。お父さんの吉本隆明の著作も読んだことがなく、オウムのときのおぼろげな印象と映画「全身小説家」の井上光晴の盟友として出ていて、瀬戸内寂聴に一言を申したのが印象的。その一言が本質をまさに突いていた。「大学教授などの定期収入も、社会的保証もステータスもない中で、家族と猫を養い続けてくれたパワー」は凄い。だからこその自由な言論か。2025/04/02

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