水歌通信

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水歌通信

  • 著者名:くどうれいん/東直子
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 左右社(2023/12発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784865283945

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内容説明

垂直のガラスを蛸があるいてる雨つよくふる都市のどこかに(東直子)

柳の葉は撫でることしかできなくて小川の街でだれを愛すの(くどうれいん)

結婚を打診されるも、かつての恋人の存在が心にひっかかり、素直に喜べないみつき。
同じ街を浮遊しながら思考する謎の存在・ミメイ。
ひとつの街にふたつの意識が浮かび上がり、淡く交信しながら進む物語。



【著者コメント】
東さんと日常を交信するようにはじめた短歌のやり取りは、次第にわたしの人生を離陸してまったく別の「みつき」の人生になりました。書き終えたいま、雨が降ると、わたしのところへもミメイが来ているような気配がします。(くどうれいん)

くどうさんと言葉を空に放って心を分け合っていたら、遠くにいるのにすぐそばにいるような、近づくことのできないところを浮遊しているような、とけあうような心地になりました。えもいわれぬ体験でしたが、その世界の人たちと時々目が合ってドキドキしました。(東直子)

目次

1 雨つよくふる都市のどこかに
2 なんでもつがい
3 どこにも戻るつもりはないな
4 Choice is yours
5 必ず君のいる夏の

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

106
ふたりの歌人が日常に見た心を綴った歌物語。ゴロンとしながらゆっくりと味わった。短歌と散文が一対で歌われ、そこにさりげなくイラストが挿まれるリズムが良いなあと。時々順番が変わって変調になったり。ふたりの一方は前に進めない揺れる心、もう一方は目の前の生活の細部に穏やかに触れる心。それは水のように流れる気持ち、水のようなリズムで歌い上げる。本は水の言葉に溢れている。水たまり、雫、雨、水滴、噴水、れいん。「わたしの悩みはわたしだけの特別な形をしているはずなのに」、それはやがてくらげのように分離していくのだろうか。2023/12/23

どんぐり

75
30代に近い女性歌人二人による短歌と対の散文。黒字になっているのが〈くどうれいん〉で、青字になっているのが〈東直子〉の作品。「愛ならばひかりより言葉がはやくその言葉よりはやいてのひら」「土が乾いてゆくまで話す紅葉のころにあなたがいたなら」と、みずみずしい歌が1つ、2つと重なっていく。短歌に情景を添える散文が心地よい。こういう構成もいい。2024/03/01

Ikutan

69
黒字で書かれたくどうれいんさんの短歌と散文、青字で書かれた東直子さんの短歌と散文、そしてその2色で描かれた植松しんこさんのイラスト。洗練されたデザインと言葉が心を浄化してくれる素敵な一冊。若いくどうさんの言葉は、真っ直ぐで瑞々しい感性が溢れていて、日々の小さな気付きを掬いとった東さんの言葉は、絶妙で味わい深い。おふたりが淡いやり取りで交信された短歌に散文が添えられることで、内容がより身近に感じられて新鮮だった。表紙は東さん。″分離するくらげのように考えがとぎれとぎれてハクタカになる″。2024/02/29

tenori

47
くどうれいんさんと東直子さん、ほぼ同年代のふたりの歌人が織りなす短歌と散文による新感覚の物語。交互に交信される短歌と、それを補足解説する形で添えられている散文が繋がるでもなく離れるでもなく呼応する様は、現実と夢とのあわいのよう。おそらく、自分自身の存在を別人格で表現しているのだと思いますが、そのふわふわした雰囲気が心地よく、おふたりの人となりが感じられるでしょう。自由律短歌なので音楽のように好きなリズム感で繰り返し楽しみたい。それにしても言葉の引き出しの多さと組合せの妙に関心させられます。2023/12/06

あや

39
くどうれいんさんと東直子さんの短歌と散文の交錯した素敵な一冊。くどうれいんさんの物語の組み立て方、東直子さんのお言葉の選び方、瞬間の捉え方が好きです。東直子さんはとくに20代の時から大好きな歌人さん。また新しい作品が読めて嬉しい。ある短歌賞で東直子さんに審査員奨励賞を頂いたことがある。大賞の方が賞金が良かったけれど東さんに自分の短歌を認めて頂けたことがとても嬉しかった思い出。  以下東さんの歌。 イギリス人なら気にしない雨だけど 光がにじむ道を歩いた/隙間から抜き出す白いテーブルに安らかさんと名前をつける2024/04/21

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