内容説明
1963年9月に創刊した日本最古の現存する文庫SFレーベル、創元SF文庫。そこから現在まで連なる創元SFの60周年を記念した、史上初の公式ガイドブック。フレドリック・ブラウン『未来世界から来た男』に始まり、E.R.バローズ『火星のプリンセス』、ネヴィル・シュート『渚にて』、J.P.ホーガン『星を継ぐもの』など800冊近い刊行物の書誌情報&レビューのほか、草創期の秘話や装幀をめぐる対談、創元SF文庫史概説、創元SF文庫以外の東京創元社のSF作品にまつわるエッセイを収める。口絵には創元SF文庫の歴史を彩ってきた全作品の初版カバーをフルカラーで掲載。SFファン必携の一冊。/【目次】はじめに/創元SF文庫総解説 海外編/創元SF文庫総解説 国内編/対談「草創期の創元SF」高橋良平×戸川安宣/対談「創元SF文庫の装幀」加藤直之×岩郷重力/大森 望「創元SF文庫史概説」/牧 眞司「SF文庫以外のSF作品」/索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデキ
44
「あれ読んでなかった」「これ出てたの知らなかった」とひたすらフムフム思わせてくれました。 私の70~80年代のSFライフを支えてくれた本たちがいっぱいです。 学生時代の小遣いでどっちを買うか迷って手を出さなかった本たちが、いっぱいいました2024/02/08
本の蟲
21
また積読が増える代物に手を出してしまった。ここ数年はホームページの新刊情報追っているが、中盤まではタイトルくらいしか知らない、あるいは名前も知らない作品ばかり。編集者、評論家はもちろん多数の現役作家が参加している解説部分は一切の忖度なし。好意的なもの(今なお色あせない、必読)から容赦ないもの(忘れられて当然、読まなくてよい)まであって笑える。古典解説は当時のSF業界、創元の推し作家、出版におけるかけひき(作者代表作の〇〇は早川に出されたので創元は××出版したetc)が伺えて面白い2024/01/23
マッピー
18
SFは早川、ミステリは創元。そういう棲み分けを心の中でこっそりしていたつもりでしたが、意外と読んでいました創元のSF。記念すべき創刊一号目がフレドリック・ブラウンだったのも意外。超嬉しいけど。日本作家のSFは2007年まで刊行していなかったというのも驚き。何かこだわりがあったのでしょうか。嬉しかったのは、執筆陣の中に森下一仁の名前があったこと。図書館で借りて読んだけど、やっぱりこれ、買った方がいいかも。総解説って好きなんですよね。2025/03/02
石橋陽子
17
SF文庫の総解説。これまでSFをほとんど読んでこなかったので下調べに見てみた。フレドリックブラウン、レイ・ブラッドベリ、アルフレッド・ベスター、RAハインライン、ジェイムズPホーガンが気になるところ。医療が特権階級に独占されたディストピア社会が絡み合う近未来医学サスペンス物語や、生きている生首を死体に繋ぐ作品、米ソの核実験の結果、放射能汚染で全人類不妊になる話など、かなり興味をそそられる。読書未開の地に入っていくのも面白いかも。2024/09/05
もち
16
「面白そうでしょう。実際に面白い」◆創元SF文庫の全作品をコラムと共に振り返る。寄稿陣は現役作家、エース級の翻訳家、名アンソロジスト、SF愛に溢れた声優まで。あらすじだけでなく、時代や作家の裏事情まで網羅して届けられる奔流。想像の歴史、そのものだ。■熱量が凄い。手元で拡がり、好きなときに何度も楽しめるSFコンペだ。憧れの発表者から的確な蘊蓄をひたすら聞くような幸福感。さすがにある程度SFをかじった人向けだが、知らない人も、最新作だけでも探してみて。好みを変える一冊に出逢えるかも。2024/02/05