内容説明
アルプス山脈を通る、世界一長い鉄道トンネル「ゴッタルド・ベース・トンネル」。「世紀のプロジェクト」と呼ばれる建設の裏にあった「持続可能な輸送」への長い道のりとは・・・?現地記者の取材により書かれた、未来を見すえる一冊。第9回子どものための感動ノンフィクション大賞最優秀作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
83
読友さんのレビューで知った本です。 スイスの山岳鉄道/登山鉄道は有名ですよね。でも、なぜ、あのアルプスの風景も観ることができない、アルプス山脈の底を貫くトンネルが必要だったのでしょう。この本を読んでいると、スイスの人たちの考えかたが現在のSDGsに基づいていることがよく解ってきます。トンネル一つにしても良く考えられた筋道は、魅力的です。ヨーロッパの真ん中に位置しながらもEUに属さない永世中立国として生きる道を選んだスイスのユニークさがなかなか優れていると思えてきます。2024/03/30
☆よいこ
69
児童書。分類514。大学で地質学を学んだ著者は鉄オタで新聞社特派員。スイス・アルプス山脈をつらぬく世界最長の鉄道トンネル「ゴッダルド・ベース・トンネル」の建設について書く。始発駅~終着駅に例え、アルプス鉄道の歴史に沿っていくところが面白い▽「スイス鉄道の父」といわれるエッシャーの苦悩と功績は大きい。「トンネル・ボーリング・マシン(TBM)」は巨大ワーム▽2016年開通式のセレモニーをYoutubeで見ましたw「アルプスの悪魔儀式」は一見の価値有りです。2023/10/21
雨巫女。@新潮部
11
《私-図書館》世界一長いトンネルができるまで、苦難を乗り越え素晴らしいと思います。でも、まず青函トンネルに行ってみたいです。2023/10/31
ちもころ
2
2017年2月開通間もないトンネルを特急に乗って通った。乗車中に撮った記念写真は、車外が真っ暗なため窓ガラスに写った自分の姿。チューリヒからミラノまで4時間、普通に楽しく過ごせた。 こないだ車で通った安房トンネルとかは火山に掘ったとか。SBBも道路公団も工事に携わった全ての人に感謝。2024/02/16
K
1
(20230801,514)第9回子どものための感動ノンフィクション大賞最優秀賞。地質学的な話、高い技術と工事の大変さなど、かなり専門的。響いた子供が、地学・工学の道に進んでほしいという気持ちが、随所に表れていて、「へぇ」を何発も押したくなります。例えば、スイス政府からメールってすごいなとか、アパートからレマン湖の魚影まで見えるとか、開通式の踊りのヘンさとか、冗談が通じなかった話とか。(となると、地質学者でなくて読売の科学記者になりたいって思うか・・・)著者は多芸多才で、ドラマーでもありリズムの鬼です2024/02/08