内容説明
傑作と呼ばれる葛飾北斎の『富嶽三十六景』から
歌川広重の『東海道五十三次』、通好みの1枚まで
名作浮世絵から、江戸の街と暮らし読み解きます!
浮世絵の中に隠された謎やお江戸の洒落、庶民の知恵、
江戸っ子たちが面白がっていた遊び心を読み解き、浮世絵の本当の楽しみ方を紹介します。
浮世絵やアート好きだけでなく、江戸や歴史に興味がある方にもおすすめの1冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
96
噛み砕いた分かりやすい解説に、親しみやすい挿絵の数々。加えて、粋な洒落などの遊び心が、随所に散りばめられた一冊。浮世絵そのものの理解はもちろんだが、当時の世相や生活などの理解をより深めたい江戸好きの私にはドンピシャ!前後のページをいったりきたり、あれこれ私なりに思考を巡らせる。見過ごせないのが、ページをめくるところに記載された『豆知識』。名前の由来や逸話など、これまた雑学豊富。メモリー・サイズの小さい私は、直ぐに忘れるんだろうけどなぁ。他の”解剖図巻”シリーズも目を通してみよう。2021/04/13
TakaUP48
45
浮世絵をぱーっと広げりゃ、細かい所にト書きがあって、深いとこまで分かるという寸法だあ。しかも、有名どころの絵は、今どきの銀座線のこの場所であっちを向いて書いたと解説つき。大呉服店、火の見櫓や新吉原の見取り図などが出てきて、あっしが読んでいる時代物の読み物の解説にはうってつけでさあ。いや~、知識も凄いが観察眼も並じゃねえ。「浅草田甫酉の町詣」なんかは、耳が立ってるから怒った猫だときたあ。知らなかったぜ。花見は婚活の場で酔っ払っているお姉さんがいるよとか、物の見方や深さを教えて頂きやした。この本、甘露でさあ。2021/04/30
花林糖
20
(図書館本)「銀座線で巡る江戸」「江戸の暮らしが分かる」「季節で巡る江戸」の三章に分けて浮世絵を解剖。江戸のスクランブル交差点、ガーデンシティ・江戸、江戸の南のリゾート地、巨大骸骨に江戸っ子達も熱狂、等の紹介の仕方で楽しく読みました。2020/09/22
むら松
16
著者が謝辞で述べている通り、文字の多すぎる図鑑(笑)。楽しく少しずつ読み進めた。本物も眺めてみたくなる。お馴染みの千住大橋が、家康が隅田川に架けた最初の橋で、その資材の調達を伊達政宗が行ったことを知り、へぇーとなった。政宗が高価な高野槙を奮発してくれたおかげで、江戸時代一度も落ちることがなかったというからさすが。読書メーターで登録できなかったが、原信田実「謎解き広重『江戸百』」も小さいながら絵が綺麗に載っているので、手元に置いとくのにおすすめ。2024/11/10
ヨータン
11
浮世絵というと、ちょっととっつきにくいなと思っていましたが、江戸の庶民の日々の生活が描かれているんですね。マニアックなことまで解説していて、江戸好きにはたまらない一冊です。2023/01/13