ホーム社<br> 侵略日記

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ホーム社
侵略日記

  • 著者名:アンドレイ・クルコフ【著】/福間恵【翻訳】
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 集英社(2023/11発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 810pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784834253757

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内容説明

「2022年2月24日は、ほとんど何も書けなかった。キーウに響き渡ったロシアのミサイルの爆発音で目覚めた私は、自宅アパートメントの窓辺に一時間ほど立ち尽くして人気のない街路を眺めやり、戦争が始まったと気づいたが、この新たな現実をまだ受け止められなかった。続く数日間もやはり何も書けなかった。車でまずはリヴィウに、それからカルパチア山脈をめざした移動は、果てしない渋滞で想像を絶する長旅になった。国内の他のあらゆる地域からの車の波が、西へ続く道という狭い漏斗めがけて押し寄せていた。誰もが戦争の暴力から家族を守るために逃げようとしていた」――まえがきより

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hiace9000

102
膠着し泥沼と化すロシアによるウクライナ侵略戦争。停戦の糸口すら見えない戦争は3年目突入か。アンドレイ・クルコフは言う。"悲劇の経験を吐き出すことは忘れるための手段ではなく、建設的に記憶し、悲劇の結果を自身の歴史と文化の遺産にするための手段"だと。2021年12月からの半年間、戦時下のウクライナで綴られた日記は、単なる身辺雑記ではなく、文学者の視点で政治、文化、社会、歴史について深く思索を巡らしたウクライナ人の尊厳=魂のアーカイブであり、プーチンの野望に抗する一本の狼煙だ。歴史的トラウマの現実がここにある。2024/01/18

藤月はな(灯れ松明の火)

68
2022年2月24日前まで、日本のニュースでは切迫する一方で楽観視するウクライナ市民を映していた。だが、ウクライナによるロシアへの危機感は2004年以前からも続いていた。その事実はこの日記で明らかである。同時に戦争であっても日常を営む事や希望を忘れない事も綴られている。それは大国の横暴に振り回された歴史から生まれたウクライナ市民の精神性でもある。国民的パン工場の爆破への追悼に項垂れ、戦争に左右される母語選びやロシア文学への評価がしょっぱい。一刻も早く、ウクライナ侵攻への平和的終着が訪れる事を祈りを込めて。2024/02/08

Nobuko Hashimoto

26
本を次々読む演習で学生が取り上げてくれた。本書はロシアによる全面侵攻直前から半年の記録。クルコフはロシア出身だが、ウクライナ人として生きる覚悟を前面に出していて緊張感がある。発表した学生も言っていたが、日本の報道だけではわからない現地の雰囲気や具体的な動き、人々の思いが伝わってくる。本書は英語で書かれたものからの翻訳なせいか細かな訳注はないが、あればあまり詳しくない読者に親切かも。クルコフは2013-4年のマイダン革命のときの日記も出していて(『ウクライナ日記』)、そちらもたいへん面白い。2024/01/22

みねたか@

25
2022年2月24日ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の開始日を挟む数か月間の日記。大ロシアの復活、強制移住による極東への入植などプーチンの野望で人々の生活基盤が根こそぎ奪われ、その状況が開戦後2年も続いている現実に愕然とする。ベトナム戦争後に物心ついた世代として、冷戦下の紛争さらにその後の湾岸危機等でも、欧米諸国は表面的にでも自由や民主主義の理念をかざしていたと思うが、この紛争とパレスチナ侵攻では各国の経済的政治的利害があまりに生々しく、大戦後の国際秩序というのが自分の幻想に過ぎなかったと思い知る。2024/03/31

特盛

17
ウクライナ開戦からもうすぐ2年だ。ニュースでの取り扱いも、自分の注意も低下してきたと最近自覚していた。そんな折図書館で見つけいい機会だと手に取った。 作者は、ペンギンの憂鬱という作品で世界30言語以上で翻訳されベストセラーになり、ウクライナペン協会会長でもある。 本作品は、ウクライナ侵攻のあった22年2月24日の前年12月29日ー22年7月11日までの日記だ。 自身の避難の模様、人々の観察、政治、戦況、本や文化への思い、毎日の暮らし、ロシアやプーチンへの感情などが記される。(続く)2023/12/23

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