中公文庫<br> バルザック(下)

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中公文庫
バルザック(下)

  • ISBN:9784122074460

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内容説明

「僕の放蕩は仕事ですよ」。並外れた行動力によって執筆のみならず、印刷業・活字製造業にまで乗り出し、近代出版史にも名を残したバルザック。終生彼を敬してやまなかった伝記作家がその波瀾に満ちた五一年の生涯を描いた、遺作にして最高傑作。
〈解説〉宮下志朗

【目次】
第三篇 小説を地で行く(承前)
 第十二章 ジュネーヴ  
 第十三章 ウィーンの別れ 
第四篇 小説家バルザックの栄光と悲惨
 第十四章 破局の年一八三六年
 第十五章 イタリア旅行
 第十六章 転機の年
 第十七章 サルデーニャの銀山
 第十八章 芝居の投機
第五篇 『人間喜劇』の作者
 第十九章 ハンスカ夫人征服の戦い
 第二十章 『人間喜劇』
 第二十一章 最初の挫折
 第二十二章 蒐集家バルザック
第六篇 事の成就と終り
 第二十三章 最後の傑作
 第二十四章 ウクライナのバルザック
 第二十五章 結婚と帰国
 第二十六章 おわり

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

68
上巻を読了後、もどかしい思いで下巻に突入。伝記本としても、シュテファン・ツヴァイクの本としても傑作。ツヴァイクは若い頃からバルザックに魅せられてきた。ある意味、本書までの作品はこの本を書くために腕を磨いてきたとも言えそうなほど。あまりのバルザック愛ゆえにか、バルザック病にかかって、何度も書き直し書き足しと十年を経ても完成できず、未完のままに遺った。  2024/02/12

うた

11
作家バルザックは人間喜劇の作者、パリ風俗の公証人と呼んでいい。まさしく天才の仕事だ。一方、人間バルザックは、歩くバブル経済というところか。ハンスカ夫人を求め、野心や虚栄心にまかせて借金に借金を重ね、未着手の原稿を担保にいれて、自己をどんどん肥大化させていく。意思が強そうな顔つきとまるまるした体。彼の人生は彼の肖像画そのものだ。フーシェを読んだ時も思ったが、ツヴァイクの文体は今では古めかしいが、こういう人を書いてみせるの適している。2023/12/11

国見弥一

2
上巻を読了後、もどかしい思いで下巻に突入。伝記本としても、シュテファン・ツヴァイクの本としても傑作。ツヴァイクは若い頃からバルザックに魅せられてきた。ある意味、本書までの作品はこの本を書くために腕を磨いてきたとも言えそうなほど。あまりのバルザック愛ゆえにか、バルザック病にかかって、何度も書き直し書き足しと十年を経ても完成できず、未完のままに遺った。2024/02/12

蛙坂須美(アサカスミ)

2
史上随一の「本物」である売文家バルザックの一生を闊達に描く。大袈裟な書きぶりに噴飯を禁じ得ない箇所もあるが、それ含めて生き生きとしたおもしろい伝記だった。短篇以外のツヴァイクに触れるのはこれがはじめてだと思う。2024/01/02

斉藤達也

2
この伝記のバルザックは、女たらしで、浪費家で、・・・・世が世なら賭け事にも嵌っていたのではないか?母親からネグレクトされた子供が一般的に辿る人生とも言えるが、一般人はそれで終わるところ、バルザックの天才はそれを一連の傑作小説に結実させた。 本書で言及される作品は自分も既読のものばかりで、大バルザックといえども傑作と呼べるものは案外限られるのではないかと感じた。2023/12/22

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