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内容説明
明治国家で圧倒的な政治権力を振るった山県有朋。陸軍卿・内相として徴兵制・地方自治制を導入し、体制安定に尽力。首相として民党と対峙し、時に提携し、日清戦争では第一軍司令官として、日露戦争では参謀総長として陸軍を指揮した。その間に、枢密院議長を務め、長州閥陸軍や山県系官僚閥を背景に、最有力の元老として長期にわたり日本政治を動かした。本書は、山県の生涯を通して、興隆する近代日本の光と影を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
73
明治時代重職を担い続けた軍人政治家の評伝。高校の歴史総合教科書にも登場する「主権線と利益線」など、膨張主義的なイメージがあるが、本書ではそうした見方を丹念な論証で退けている。また超然主義内閣でも有名で、確かにかなりの議会嫌いではあったようだが、晩年は原敬を高く評価するなど、必ずしもそうした意識一辺倒ではなかったようだ。ただし藩閥権力を重視していたのは確かで、それ故に子飼いだったはずの桂太郎などが後に離れていく。またかなり振幅の大きな人物だが、金にはきれいだったようだ。といっても椿山荘の主人だけどね。2023/12/09
MUNEKAZ
23
やっぱり山県は裏でこそっと動く部分が多くて、その辺が黒幕感を醸しだして印象良くないよねというのが素直な感想。第二次政権時で見せたような絶妙な調整能力こそ、この人のキモというか際立った部分だと思うので、同じ調整型の鬼のような原敬を評価したのは納得。大隈や伊藤のように理想を求めるのではなく、「尊王」を軸に自らの信じる国家像を守るために、愚直に尽くした生涯をよく伝えている。こういってはナンだが、明治帝より先に亡くなっていれば、もっと上向きの評価を得られたのではないかとも思ったり。時代に追い越されてしまった悲劇。2025/01/25
健
21
ロシアと対峙するための陸軍の増強には熱心だったが、その軍隊の発動については極めて抑制的であったし、アメリカをはじめとした周辺国との協調にも積極的であったことが読み取れる。社会運動や、政党活動には批判的で、常に官僚の側に君臨し、天皇中心の国家建設を目指していたようだ。そのため、後世になって山縣有朋が軍国主義の権化であるかのような虚像が作り上げられたみたいだけど、晩年は右翼団体にも命を狙われていたというのだから、山縣有朋の事、かなり誤解していたような気がしてきた。2024/06/25
ジュンジュン
20
陸軍の育ての親、山県閥を構築、死ぬまで権力者などからマイナスのイメージが強かったので、日露戦争前後までに挙げた功績は意外だった。多分、有朋は生きすぎたんだと思う。きっと明治と共に退場していたら、伊藤博文みたいに”お札の顔”になれたのでは?晩節を汚すとまでは言わないが、晩年の権力に固執する姿(イメージ)が今も彼の功績を覆い隠している。2024/02/06
ごん
19
山縣有朋といえばネガティブなニュアンスで語られることが多い人ですが、自分も山城屋事件とか宮中某重大事件から嫌な奴なんだろうな思っていましたが、この本を読んで印象が変わりました。伊藤博文とともに明治国家を支えた人なのですね。参謀本部が薩派の力が強かったのも意外ですが、陸軍の政治化に否定的だったのも意外です。ただ、少し長生きしすぎたのも事実で藩閥政府の巨魁として憎まれていたのもやむを得ないのかなと思いました。本人には気の毒ですが。新たな知識を得ることが出来た著作でした。2025/12/18
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