内容説明
すべてにおいて普通で個性がなく、自分は(永遠の脇役)であると思っている高校生・影子。
同じクラスには、世間を賑わすアイドルで、学校でも人気者の男子・真昼がいる。
そこにいるだけで目立つ彼は、まさに〈永遠の主人公〉。
別世界の住人のような彼とは、同じクラスなのにほとんど話したことがなかった。
だが、一緒に図書委員をすることになったのがきっかけで、真昼の陰の部分を知ることになる――。
読み終えたあと、きっと世界が輝いて見える、希望の物語。
文庫版限定! アフターストーリー<掌編 尊い愛>を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
31
全てにおいて平凡で没個性が悩みの高校生・影子。彼女が同じクラスの芸能人・鈴木真昼の隣の席になって、その意外な一面を知ってゆく青春小説。普段は世間を賑わすアイドルで、勉強や性格も完璧な人気者で永遠の主人公キャラの真昼と一緒に図書委員をすることになった影子。引け目を感じていた二人の関係が少しずつ変わってゆく中、突然のスクープによって激変してゆく周囲の反応や、SNSでの無責任な発言に翻弄される展開はなかなか厳しかったですが、それでも変わらなかった影子の献身と真昼の頑張りがもたらした結末はなかなか良かったですね。2023/11/24
アリス
12
以前、この本は単行本でも読んだことがあったが今回こうして文庫本という形で再会できた。単行本が書かれた直後にコロナ禍による芸能人の自殺がおこった。そのニュースを見た時に単行本のほうを読み返したが、やはりこの種の誹謗中傷って何の罪もない人がおこなっているのだなと思うとぞっとした。今回文庫本が出版された年もまた、芸能人による自殺がおこってしまった。このようなことから、中高生だけでなく大人から子供まで今の時代スマホを使うようになぅて来ている。そして、この作家の本は全世代に読んでほしい本である。2023/12/31
srmz
3
タイトル通り「ないものねだり」で隣の芝は青く見えるこの世界。自己肯定感がさほど高くない主人公2人が魅せる物語を通して「自分にとっての普通が実は特別なこと」と気づかせてくれた一冊。また、「誹謗中傷がなくなるように願いつつも、傷ついた誰かに寄り添ってあげられる人がひとりでも増えますように」というメッセージも込められている。1人では乗り越えられないことも、自分の弱さを受け入れてくれる人が1人でもいれば救われる。さすが汐見さん読みやすくメッセージ性があっていい😊今の生活に感謝しながら、大切な人を守っていきたい✨2024/03/22
万論
3
んー。って感じかなぁ。「確かにね」としか言いようが無い。伴走って言うのがいいのか、共にあってくれる人に出会えて良かったって、しみじみ思う。2023/12/23
小野杏
0
なんでもない日常に潜む〝普通〟が実はかけがえのない〝特別〟だということに気付かされました。2024/01/21