内容説明
「認知革命」よりも前に起きた「共感革命」とは何か? 共感が世界を作り、そして今、共感が世界を破壊しようとしている。人類史の知られざる革命から見えた、本当の人類の姿とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
エジー@中小企業診断士
23
言葉の獲得=「認知革命」の前に「共感革命」があった。直立二足歩行の理由=「踊る身体」人間の本性は善であり共感力を発揮して助け合う社会を構築してきた。格差や戦争は農耕牧畜社会の所有と定住が生んだ。筆者は情報化社会、シェアリングエコノミーなど「第二の遊動」時代を迎えつつあると主張。日本人の自然観には「見立て」や「あいだ」の概念が織り込まれている。自然とつながる身体を回復し共同体の虚構を作り直す。遊びが共感力を高め、人の移動が格差を無くす。共感力は小規模な社会でしか通用しない。強い倫理観を持ち共同体を編み直す。2026/04/23
ta_chanko
22
身体能力に劣る人類がサバンナに降り立って生きていくためには、群れで生活し互いに協力しあう必要があった。そのために発達したのが「共感」力。言葉よりも前に歌やダンスで身体のリズムを同調させることでコミュニケーション力や共感力を高めた。直立二足歩行により道具を扱うとともに、食べ物を仲間のために運ぶことが可能になった。性を隠し、食事を仲間と分かち合うのは動物とは逆の行動。群れ(社会)の適正規模は150人程度=ダンバー数。農耕により社会・国家の規模は拡大したが、それをまとめたのが宗教の役割。現代は第二の遊動時代へ。2023/12/18
Sakie
18
人間は共感力と認知能力を発達させることで大人数の意思疎通を可能にし、地球の覇者となった。なのに今なぜ同族同士で殺し合っているのだろう。山際さんは農耕牧畜のための定住という変化が共同体を生み、利益と所有権を争う暴力に発展した説を採る。しかし人間は、生命の歴史から言えばついこの間まで狩猟採集生活だったのであって、それまでは現代の類人猿と同じように、利他的な平和を築いていた。戦争は人間の本能ではないのに、記録に遺された戦争の記憶ゆえに人間は戦争をするものだと信じて戦争をしている…。壮大なバグが起きているのだ。2026/03/03
ちょび
10
山際氏はゴリラを通して人間社会を観る。ゴリラにも無い白目を人間は持つ。目の動き(視線共有)から相手の気持ちを読み共感し、共鳴し、同情しその上に思いやり深い同情のコンパッションを持つ。この共感力を持つ人の集団の適正サイズは上限150人程度でそれ以上では意思疎通が難しくなるそう。グローバル化で無限に繋がりが拡がる様に感じるのはただの錯覚で、かえって分断が進んでいるのが現実だ。思考から生活まで内向化する今「動く自由、集まる自由、対話する自由」をうまく使い小規模な集団を繋いで行くことで閉塞した社会が変化すると言う2024/07/31
コジターレ
9
知的好奇心をくすぐる良書。「共感」という切り口で、人間のあり方、進化、歴史的な歩みについて知り、深く考えることができる。僕たちは、人類がどのように生きてきたかを知り、地球の生命連鎖や自然の一部として生きているという謙虚さを持たなければならない。その姿勢こそが人類の未来を変えるという希望を持った一方で、人間の愚かさには歯止めが効かないだろうという諦めの気持ちを拭い去ることができない。2025/10/06
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