中公文庫<br> 生と死をめぐる断想

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中公文庫
生と死をめぐる断想

  • 著者名:岸本葉子【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 中央公論新社(2023/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122069732

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内容説明

序章 死をそばに感じて生きる
團十郎の辞世 
死生観表出の時代 
自然災害のインパクト 
どこから来てどこへ行くのか 
二つの立場 
テクノロジーの進化の果てに 

1章 「知」の人の苦しみ
伝統的な宗教の後に 
岸本英夫の実践 
合理性の納得 
頼藤和寛の世界観 
はじまりのニヒリズム 
「にもかかわらず」の哲学 
自由意志の優位と揺らぎ 
多田富雄の受苦 
人格を破壊から守る 
サイコオンコロジー 
医療の現場で 
ホスピスとデス・エデュケーション 
遺族外来、がん哲学外来 
禅の否定するもの 
「わたし」を「なくす」 
河合隼雄の遍歴 
ユング心理学と仏教 
切断せず包含 

2章 スピリチュアリティの潮流
崩れつつある二元論 
オルタナティブな知 
理解できないものへの態度 
時代という背景 
第三の項へ 
ポストモダンの現象 
ベクトルの交わるところ 
島薗進の視点 
「精神世界」の隆盛 
個人の聖化と脱産業化 
鈴木大拙の霊性 
宗教的でなくスピリチュアル 
玄侑宗久との往復書簡 
「而今」の体験 
「いのち」との関係 
潮の満つるとき 
海のメタファー 
親鸞の絶対他力 
生死の中で生死を超える 
日本的発現 
ゆりかごとしての風土 

3章 時間を考える
代々にわたり耕す 
柳田国男の「先祖」 
個体から集合体へ 
つなぐラフカディオ・ハーン 
田の神と山の神 
時代からの問い 
四つの類型 
折口信夫の「海の他界」 
野という中間地帯 
身近な行き来 
かのたそがれの国 
うつし世、かくり世 
帰ってゆく場所 
先祖の時間 
線をなす時間 
層をなす時間 
輪をなす時間 
自然との親和性 
季語のはたらき、リズム 
津波を詠んだ句 
山川草木悉有仏性 
「衆生」の範囲 
貞観地震と津波 
暴れる国土 
山川草木悉有神性 
瞬間瞬間にふれる 
不動の中心 
技法としての行 
色即是空 
井筒俊彦による視覚化 
縁起という実相 
根源のエネルギー 
式年遷宮 
「木の文明」 
生の造形 
宣長の「悲し」と「安心」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まろにしも

8
ちょっと読みづらかった。断想とは、そういうものかも知れないけれど。中世ヨーロッパのトンデモ医学にはゾッとするけれど、一方で、中途半端に科学文明が進んだ現代において死と向き合うことは、(皮肉なことに)文明未発達なときよりも、はるかに難しくなっているということを思わされた。2024/09/08

takao

3
ふむ2024/08/13

寛理

2
スピリチュアル思想について簡潔にまとめられている。個人的に最近、キリスト教と仏教の実践に興味があって色々と読んでいるが、それらと比べると、鈴木大拙のように「霊性」の存在を設定するスピリチュアリズムは少し安易なのではないかと僕は思う。ただ、岸本葉子の節度ある記述はすばらしい。円環の中に「永遠」を位置付ける図に感心した。2021/04/26

pantyclub

1
題名にひかれて読んだ。高齢者が興味を持つ内容。読み進めるとどんどん内容が難しくなる。ある意味で答えの無い世界に入って行く感じになる。正直、かなり難しい内容。それだけ死生観を考え、理解することが困難なのだと思う。発見もありました。固体的意識、人も一つの個体であることは間違いない。柳田国男のお話は日本的で面白かった。2024/04/20

ひより

1
いつものエッセイとはだいぶ違った雰囲気。 40代で大病をした岸本さん、もともと論理的だったが、いろんな本を読んだり、お坊さんと書簡のやりとりをしてスピリチュアルな方面にも近づき、考え方も少しずつ変化していったのだとか。 ★22020/09/02

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