内容説明
地球には7千もの言語があって、複数の言語を使う人がたくさんいる。境界に生きることには時に困難が伴うけれど、一つの言語に囚われないことで、視界が広がっていく。言語の境界に生きることをテーマに、人々の想いや葛藤を描く。
目次
第一章 夢を話せない:言語の数が減るということ
言語の数は変化する/失われていく言語/支配被支配の関係と言語シフト/後光のようなもの
第二章 夜のパピヨン:言語の数が増えるということ
言語を分けるもの/日本語というとまるで/夜のパピヨン/エスキーナでオニブスをペガして
第三章 移民と戦争の記憶:ことばが海を渡る
プロローグ/海を渡った日本語/海外の日本語の水脈と戦争/海を渡る人々/戦争の時代の「わたし」/人間の共通性/虚像に隠された顔/過去を引き継ぐ者として/痛みにことばを与える/エピローグ
第四章 ペレヒルと言ってみろ:「隔てる」ものとしてのことば
涙を流しながら/血溜りの中に/「かれら」の析出と「われわれ」との区別/踏み絵として、烙印として、抵抗の旗印としての言語
第五章 「あいだ」に、いる:言語の交差域への誘い
金網の、あちらとこちら/『宝島』/『デフ・ヴォイス―法廷の手話通訳士』/『ジャッカ・ドフニ―海と記憶の物語』/おわりに
第六章 彼を取り巻く世界は、ほとんど無に近いくらいに縮んでしまった:ことばの断絶と孤独
リヨン駅で/アメリカン・スクール/自分だけに閉ざされて/希望としての対等可能性
第七章 「伝わらない」不自由さと豊かさ:複数の言語で生きるという現実
三つの場所での出会いと経験/バンコクは東京のようになってほしいんです/お腹が痛いので、薬をもらえませんか/日系人は許してもらえない/不自由と困難さはどのように乗り越えていけるのか
第八章 内戦下、日本語とともに生きる:ことばを学ぶ意味
ダマスカスの友/日本語の響きに魅せられて/内戦の恐怖と日本語/内戦下、日本語とともに生きる/ことばを学ぶ意味
第九章 「韓国語は忘れました」:人にとって母語とは何か
忘れさられた言語/シホさんとの出会い/外国語に順番はない/歩み寄ることば/人が言語を持つ意味
第十章 こうもりは裏切り者か?:他者のことばを使う
裏切り者のこうもり/日本語を喋ることと、英語を喋ること/政治的、社会的状況の変化と街なかに見られる言語/日本から来ました、と言えない/和解
終章 複数の言語で生き死にするということ:人間性の回復をめざして
プロローグ/支配被支配の関係―植民地・戦争・差別/集団から個へ、対等と自由のための境界/複数のことばの活動によって生き死ぬとは?/ことばの活動によって人間性を回復する/エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
livre_film2020
black_black
kuukazoo
Nobu A
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