文春e-book<br> ガラム・マサラ!

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文春e-book
ガラム・マサラ!

  • ISBN:9784163917719

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内容説明

北欧、華文、韓国の次は……今もっとも熱い「インド・ミステリー」の傑作

手段を選ばず、お子さんを志望校に入れる。それが僕の仕事です――

貧困の中からのしあがった青年ラメッシュがニューデリーで営むのは「教育コンサルタント」。依頼人を希望の大学に押し込むのが仕事だ。
今回の依頼は富裕な建設業者からで、息子ルディをインドの一流大学に入れてくれという。ルディはバカなドラ息子であり、手段は替え玉受験しかなかった。
受験は無事に終了するも、予想外の結末が待っていた。ラメッシュは全国トップの成績をあげてしまったのだ。インド最高の天才少年現る!とメディアは群がり、ラメッシュはマネージャーの地位に収まってカネを稼ぐが……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

80
インド舞台のドタバタ犯罪小説。前半は替え玉受験、後半は誘拐と逃亡劇▽ラメッシュ・クマールは貧しいチャイ売り屋台の息子で、父親から虐待されてた。子供を殴るのは伝統で自分も父親と同じになると思っていたラメッシュの運命を変えたのは、白人修道女クレアの教育だった。クレアは信念を持ってラメッシュを勉強させたが、差別的な社会がラメッシュを替え玉受験犯罪者にした。ルディの代わりに「共通試験」を受けたラメッシュは全国トップの成績を取り、ルディは瞬く間にセレブへ駆け上る。ルディとラメッシュは華やかなテレビ業界へ▽映画ぽい2024/08/11

pohcho

57
誘拐に巻き込まれ、指を一本切り落とされた主人公。どうしてこうなったのかを回想する形で話は進む。貧しいチャイ屋の少年が教育を受けて違法な教育コンサルタントに。替え玉受験で全国一位になり、替え玉の相手がインド最高の天才少年として一躍有名人に。彼のテレビ番組まで始まり主人公はマネージャーに収まるのだが・・。替え玉受験に誘拐事件(しかも3回も)と犯罪小説なのだが、どちらかというとドタバタコメディのようで、最後まで予測不能な展開だった。 インドってなんだかすごい、カオスだ!と思いながら読了。結末はちょっとせつない。2024/02/02

TATA

46
タイトルと表紙からもっと突き抜けた感じの馬鹿話と思ったのだけど、いやー、なかなか現代インドの矛盾アレコレを詰め込んだストーリー。誘拐してはされてのスピード感に溢れたドタバタ展開、この辺りはかなり好き。ラストが少し興醒めでしたがまあそこはご愛嬌。原題はHow to kidnap the richなのに「ガラム・マサラ!」かあ、、。やり過ぎじゃないのかな。2024/10/18

アイシャ

29
表紙の原題が How to kidnap the rich となっているが、元々の原題はこちらだったとのこと。ややこしいですが。チャイ屋台を営む父親のもとで育った少年。貧困と暴力の中、彼に教育という救いを与えたシスター。「僕はただ一生懸命やるだけでよかった。どんな馬鹿でもできることだ」という少年の成功話かと思うと、そうはいかない。彼は替え玉受験で生活する道を選択するしかなくなり、かなり話はハチャメチャに。文化の違いからよく理解できないところもあるのだが、インドの格差社会の厳しさを痛感した。2023/12/09

わたなべよしお

23
 何というべきか?僕にはイマイチだったかな。確かにインドの貧困とか、社会とかが描かれてはいるが、まあドタバタ喜劇みたいなもの、と言えばよいのか?その点ではおもろいといえばおもろい。だが、地に足の着いたリアリティみたいなのが薄い。勿論、小説なので真実じゃなくても真実と感じられるような深いリアリティがあればいいんだけど。 2023/12/18

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