内容説明
【第8回角川文庫キャラクター小説大賞《奨励賞》受賞作!】
◆あらすじ◆
名門の娘ながら代書屋を営む藍夏月は、人ならぬものと縁があり、幽鬼からの代書も引き受けている。しかしある日、うっかり転んで死んでしまった! 気付けば彼女は冥府の王、泰山府君の前にいた。ここで死ぬわけにはいかないと、夏月は冥界でも懸命に働き、条件付きで蘇ることに! それは現世で泰山府君の調べ物を手伝うこと。生き返った彼女は王城で女官勤めをすることになり……。
天才代書屋少女が後宮の闇を暴く、中華ミステリ!
◆登場人物◆
藍夏月(らんかげつ)
16歳。代書屋『灰塵庵』を営む名家の娘。幽鬼への関心が高く、彼らの代書も引き受ける。
故あって王城で女官勤めを始める。
可不可(かふか)
20歳前後。夏月の従者で藍家の使用人。西域の血が混じっている。
洪緑水(こうりょくすい)
27歳。秘書省写本府長官。女官として働く夏月の上司。
穏やかな笑みを浮かべる美青年だが、したたかさもある。
泰山府君(たいざんふくん)
冥府の王。傲岸不遜な性格。
死後裁判を行う神で、禄命簿という人の運命が記された帳面を持つ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
36
後宮ものになるのかな?冥府の王に生き返らせてもらえた夏月。彼女に冥府の王が望むこととは?2023/11/15
よっち
29
名門の娘ながら嫁にも行かず代書屋を営む藍夏月が、泰山府君の頭を踏んだ罰でうっかり死んでしまい、彼に気に入られて条件付きで蘇り、後宮に女官として潜入する中華風ファンタジー。人ならぬものと縁があり幽鬼からの代書も引き受けている彼女が、泰山府君の調べている事を手伝うために潜入しての女官勤め。さらに前王朝の言葉を読めることから、上司の洪長官に調べ物を命じられる夏月。その過程で思ってもみなかったものを発見して、泰山府君が後宮に潜入を命じた理由も明らかになりましたけど、すっかり泰山府君に気に入られてしましたね(苦笑)2023/11/27
tokumei17794691
1
・続編が出るので積読消化。・世界観は悪くなく、泰山府君についてもかなり調べられている印象。・大量殺人事件犯、媚州王の「欠席裁判」をやった感じがする。主人公の身分的にやりにくかったのには違いない。が、探偵モノなら、主人公たる探偵が、推理を披露し、犯人に証拠を突き付け、自白させるのが最大の見せ場では? また、動機や手口など、媚州王の掘り下げも足りぬ。「代書屋」として前王朝の古文が読める、幽鬼からも依頼があるとの主人公のキャラが立っていただけに、犯人側、特に媚州王の出番がかなり薄かったのが、物足りず、残念。2024/09/05
こねこ
1
言葉の誤用がないよう慎重に買いているように感じた。 編集の問題だと思うが,ルビのつけ方が,初出でないような気がする。なぜだ? 媚州王の人となりをもう少し掘り下げたほうが説得力があると思う。2024/08/03
きなこチロル
1
初作家さん&デビュー作。主人公の藍夏月は、名家の娘でありながら、嫁ぐこともなく代筆屋を営んでいる。そんなある日、うっかり転んで死んでしまった!冥府の王・泰山府君から生き返る条件をな飲んで蘇った。そして、王城の秘書庫で働くことに。彼女にとって天国のような職場?琥珀国の歴史や後宮で起きた不思議な事件を解きつつ、探検もあり。続くのかな?洪緑水が気になるのよね。2023/11/13