内容説明
有名広告代理店を早期退職したキョウコは、古いアパート「れんげ荘」で貯金を切り崩しながら自由な暮らし。近所の花店で元気なチューリップを買ってきたり、お腹周りが心配になってきたので、遠回りして買い物に出かけたり、「れんげ荘」の元住人・コナツさんの結婚のお披露目会に、久々におめかしして出かけたり。ネコやイヌ、鳥や花や隣人とのお茶の時間などに心を癒されながら、キョウコは今日も小さな幸せを見つけています。 幸せは、人それぞれ―― キョウコは自分でも「休みすぎ!」とツッコミを入れながらも、無職のまま、月10万円の生活をのんびり続けています。 ささやかな楽しみを見つけながら。 ロングセラー「れんげ荘物語」シリーズ、第7弾! 書き下ろし長篇(どの巻からでも、お楽しみいただけます)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Karl Heintz Schneider
98
シリーズ7作品目。早期退職し、おんぼろアパート「れんげ荘」で一人暮らしを謳歌する50代のキョウコ。今作品でも、特に大きな事件は起こらない。あえて言えば元お隣さんのコナツさんが結婚し、そのお披露目会に呼ばれたことぐらい。キョウコの何気ない日常がゆるゆると綴られている。それだけなのに、読後感がいい、心地いい。まるで天気の良い春の日の陽だまりのような一冊。この本を読みながら、うたた寝できたら気持ちいいだろうな。「今日はいい天気ですね」という副題には、そんな意味が込められているのかなと思った。2023/03/29
itica
88
装丁が春らしくて可愛い。キョウコさんは相変わらずのゆったりマイペースの日々。近所の子供たちに「たおれ荘」と揶揄されるボロアパートでも、働かず、誰にも気遣うことなく思うままに暮らせるのは、ちょっと羨ましかったりする。元気いっぱいの猫や犬の登場も微笑ましくて好き。でも本心を言えば、刺激が無さ過ぎて物足りなく思う。それが持ち味のシリーズなんだけれどね。 2023/01/30
sayuri
72
「れんげ荘」シリーズも本作で第7弾。相変わらず、まったりとした空気感は健在。年月を経て劣化して来たれんげ荘、またの名を「たおれ荘」。このアパートで月10万円で暮らすキョウコの暮らしぶりが淡々と描かれる。花屋でチューリップを買ったり、気になって来たお腹周りをなんとかしようとウォーキングを始めたり、古くなった部屋の畳を交換して貰ったり、そんな普通過ぎる日々を彩るのは可愛い猫と犬達。住人達との付かず離れずの距離感も心地良さそうだ。唯一、キョウコが亡き母を語る場面は、群さん自身の母親との確執と重なり切なくなる。 2023/02/01
アイシャ
66
シリーズも7巻目。相変わらず周囲の人たちのワンちゃんや猫ちゃんの話を聞かされる毎日だが、キョウコさんが好きなのはぶっちゃんだけなんだな。メインイベントはコナツさんの結婚お披露目会。着ていくものがないわということで、やさしい義姉に服やイヤリングを譲ってもらう。キョウコさんの周りは優しい人ばかり。公的援助を受けているわけでもないのに、役所の人が訪ねて来るのはよくわからない。誰に迷惑をかけているわけでもないので、ほっておいてあげてほしい。キョウコさんの生き方はこれからも見たい。2023/06/14
青木 蓮友
65
そう、この終わりかたがたまりませんのです。これぞ「れんげ荘物語」。また次もなんの説明もなくいきなりお話というか日常が淡々と始まって(というか、切り取られ?)こうやって終わるのでしょう。まあ、とにもかくにもキョウコさんがご自分のペースで暮らしていってくだされば、という気持ちに本当になります。生きてるんですよね、キョウコさんおよび出演の皆さんがイキイキと、魂入ってる。畳替えが終わったお部屋をいい香りに包まれて清々しく味わう、脳内で。こういうことができる読書がわたしは心底好きだなと、最高だとあらためて思います。2023/06/03
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