匂いが命を決める――ヒト・昆虫・動植物を誘う嗅覚

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匂いが命を決める――ヒト・昆虫・動植物を誘う嗅覚

  • ISBN:9784750518138

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内容説明

《 言葉より直截[ダイレクト]で、音よりも戦略的 》

視覚と聴覚の彼方に広がる原始の領域 〈嗅覚〉
匂いを介したコミュニケーションで命をつなぐ生き物たちの驚くべき物語とその未来の可能性。

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 ●なぜわたしたちの鼻は顔の中央、先端についているのか?
 ●なぜ動植物は、ここぞというとき「匂い」に頼るのか?
 ●「Eノーズ」は将来、匂いの正確な転写・伝達を可能にするか?

ヒト、昆虫、動物、魚、草木、花など多様な生物の「生命維持」と「種族繁栄」に大きな役割を果たしている嗅覚。
そこに秘められた謎と、解き明かされた驚異の事実とは──。

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〈 多様性にあふれる生き物たちとその「嗅覚」の不思議 〉
 ●雌を嗅ぎつけるため異常に巨大化したオス蛾の触覚
 ●フェロモンを追って雌の身体に溶け込む5cmの雄アンコウ
 ●腐食した樹木に仲間を呼び、かつ満員を告げるキクイムシ
 ●芳香や腐敗臭で虫をおびき寄せ、受粉をうながす花々
 ●刈られた芝が発するSOSの匂いが害虫を殺す受益者を呼ぶ
 ●地雷やアルツハイマー病患者を嗅ぎ分ける犬     など……

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【目次】
■はじめに
■第1章……人新世の嗅覚
■第2章……人の嗅覚・人の匂い
■第3章……犬はすぐれた嗅覚をもっている
■第4章……鳥は匂いがわかるのか
■第5章……魚と嗅覚
■第6章……ネズミは嗅覚がすべて
■第7章……鼻が利く蛾
■第8章……小さいハエさえも
■第9章……血の匂いを嗅ぐ蚊
■第10章……巨木キラー・キクイムシ
■第11章……クリスマスアカガニ
■第12章……植物は匂いがわかるのか
■第13章……匂いの詐欺師たち
■第14章……人は匂いをどのように利用しているのか
■おわりに──匂いの未来
■謝辞
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

93
人、昆虫、魚、小動物そしてほとんどの動植物は匂いの重要性を理解し、活用していることを知ることができた。対象を食べるためや生殖に使う、植物は受粉にの他に嫌な物質から守るために。また人はそういった匂いに敏感な生き物を利用して生活のために活用しているのだなあ。犬の嗅覚を利用して空港での検査や、ネズミを使った地雷あるいは不発弾の検知をさせたり。匂いがあるから生物が多様なこともあるのか。人工知能がこれからより発達していくとして、AIが匂いを出せるような仕組みができるのか気になっている。図書館本2025/03/12

zoe

21
動植物昆虫が発する化学物質とそのセンサーのお話。細かい物質の話はほぼなく、蚊がなぜ寄ってくるのとか、犬の嗅覚は人間よりすごいという話。広い海でのジメチルスルフィド(DMS)は鍵。プランクトンによって濃縮が開始する硫黄は、食物連鎖の中で排泄物や分解物由来のDMSとして感知され、捕食者を引き付ける。先日読んだ別の本でも、船乗りが磯の匂いで、陸からの距離感を持つということもあったので、動物として普遍的必要な物質と感覚の組み合わせなんだと思います。2023/09/30

はやたろう

15
動植物の生き残りに匂いが欠かせないことが分かる。自然界の仕組みの進化は驚くことばかり。内容的には結構マニアック2024/06/07

ときわ

10
私たちが匂いと判断しているものは、ある物質についての私たちの感覚器官の判断。これを読むと人間は哺乳類の中でも最低の判断力で、そこのところはそうだろうなと前から思っていたが。どうやら昆虫や植物にもかなり劣っているって。昆虫凄い、植物凄い、分かっていることを淡々と語ってくれるので凄いことは伝わってきた。何で人間はこうまで嗅覚が劣っているのに、世界中で幅を利かせているのか不思議になってきた。多分視覚も聴覚も大したことは無いだろう。脳を感覚器ではない方に進化させたからなのか。そういう視点でも論じて欲しかった。2023/11/22

とりもり

9
人間は五感の中でも嗅覚を軽視しているきらいがあるが、動植物の世界ではむしろ嗅覚が絶対的な重要性を持っているということが様々な動植物を通じて語られる。内容は他書でも読んたことのあるものが多かったが、改めて嗅覚の重要性を認識させられた。他の生物などの匂いをコピーする能力の高さには驚かされるばかり。とはいえ、人間の嗅覚についても分かっていないことが多いので、もしかすると潜在的には人間も匂いに大きく左右されているのかも。より解明が進めば、もっと驚かされるような大発見がありそう。★★★★☆2024/01/08

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