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内容説明
全国の生活者・患者・医療者を対象にした調査をもとに、患者や生活者は医療機関に何を求めているのか、どこに不満を抱いているのか、医師や看護師などの医療者側は自らが提供する医療サービスをどうみているのかを探り、医療機関におけるマーケティング的課題と打開の方向性を探る。
〇調査を通して見えてきたのは、「病」を起点に考える医療機関と、「自分の生活」を起点に考える患者・生活者との間の、決定的な認識の違いだ。本書では、生活者・患者が求める医療機関の「理想の姿」と「現状」との間にあるギャップを明らかにし、どうすればそのギャップを埋めることができるのかを考察。
〇生活者や患者が求めている価値をもとに再定義すれば、医療機関は単なる「治療業」ではなく、「不安解消業」となる。すなわち、患者に選ばれるのは、「なおす」だけの医療機関ではなく、身体と心を「いやす」医療機関である。そう考えれば、医療機関が社会にもたらす価値は、無限大になる。
目次
序 章 医療機関にとってのマーケティングとは
第1章 「病院」の発想 「ホスピタル」の発想
第2章 顧客価値から医療を再定義する
第3章 医療とは「サイエンス」であり「アート」である
第4章 医療は究極のサービス業
第5章 患者満足度の測り方、高め方
第6章 患者の「不満足」を解消しよう
第7章 どうすれば「強い医療ブランド」が生まれるか
第8章 医療者と患者の「壁」を低くする方法
第9章 患者を引きつける口コミマーケティング
終 章 医療者にも選ばれる病院・医院をつくる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
99trough99
27
年明け早々にご講演を拝聴できる機会に恵まれそうなので、時間のあるうちに手に取った。本書は、数千人規模のwebサーチで得られたデータを重回帰分析することで、選ばれる病院を形成する要素はなにか、明らかにしている。 極めて当たり前のことを極めて当たり前に訴える所ではあるが、感覚的な論が展開されるのではなく、データに基づいた冷静な分析がメインであるのは新鮮。病院は不安解消業、とだけ言うと言葉が独り歩きするので、考え方とともに共有したい。2023/12/31
とある内科医
23
日頃から自分なりに考えてきたことが全て言語化されている感覚で、個人的には新たな学びは少なかったが、医療者にとっては極めて重要な本。 帯「患者が求めているのは不安の解消である」「医療とは究極のサービス業」「医療機関は幸せ創造業」などがキーワード。2023/10/19
KEI
6
マーケティングとは市場調査のことではなく、「顧客を生み出す活動」のことである。そして、病院において顧客が治療の先に求めているものは不安の解消である。そういった価値観を正しく捉えなければ集客(患?)には繋がらない。また、マーケティングにおいて口コミは軽視できない要素の1つだ。サービス提供者側から有益な情報を発信するよりも評判や噂など発生する情報の方を顧客は信じるからだ。これらのファクトは現場で働く人間として「なるほど」と思わせる内容であった。2025/03/12
ながよし
1
医師として経営知識を得たいと思って購入した。しかし、本書で最も大切なポイントとして、医療の本質は不安解消業であり、その医師の在り方が最大のマーケティングに繋がるというものだった。医者ではない著者が患者の生の声や、重回帰分析のデータを用いて、本来の病院や医療の在り方について、わかりやすく書いている。変にネットで自己の売り込みをするのではなく、目の前の患者さんの丁寧に扱い、共感し、同じ方向を向いてちょっとだけ医師が先導してあげること。その当たり前だけど忘れてしまう大切なことを再確認させてもらえた一冊だった。2025/04/18
Kiguchi Takashi
1
実は、もはや著者のファンである。看護師向けに講演したと聞いていたので、大変興味深く拝読。以前より、わたくしも医療はサービス業であると考えていたので「禿同」である。2024/04/05