砂漠の旅ガラス

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砂漠の旅ガラス

  • 著者名:長谷川まりる【著】
  • 価格 ¥1,287(本体¥1,170)
  • 小学館(2023/10発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784092893320

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内容説明

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AIも電力もない世界で人間のあり方を問う。

AIによって人類ほぼ滅亡……。“防腐塵(ぼうふじん)”という特殊な砂におおわれた、植物と電力が存在しない世界で、人間の末裔たちはどう生きるのか?
 
砂漠を自由気ままに旅してお宝を探す“旅ガラス”のぼく。
実は数年前にある事件から逃げてきた過去があった。
きっかけは、ポケットの中の茶色い謎の物体。
この謎の物体をめぐり、生き方の違うさまざまな民族が、それぞれの思惑をかけて交錯する。

講談社児童文学新人賞佳作、日本児童文学者協会新人賞受賞の作者が初めて挿絵も手がけたYA小説。
先入観をぬぐい、多様性を認め合う、いまを生きる人たちに届けたい物語です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あんず

11
話の設定、展開が面白くて一気に読んだ。旅ガラス、居住区の人、砂族、海の民それぞれ生活しているところでルールや、大事なものが少しずつ違っていて面白かった。何を大事にして、どこまでを他者の介入を許すのか、その線引きの個性が出ていて自分だったらどこで住みたいかなーとか考えた。他者と関わりながら生きていく中でのヒントが書いてあるように思えた。でもそれは、押し付けがましくなくて、心構えとして頭の隅に置いておくといいようなニュアンスで物語の中では描かれていたので、そこがよかった。他の作品も読もうと思う。2024/03/06

timeturner

9
面白い設定で一気に読まされた。AIの愚策で砂に埋もれた地球。細々と古代の遺物を掘り出して生きる人類の末裔。そんな状況でも差別や排斥があるのが情けないけど、情報伝達手段が発達した今だってそうなんだから、電気も電波もなくなったらこうなるのは必至か。それでも、自分の目で見て考え、納得したことだけ信じるミサゴのような人々がいることに希望を感じる。砂の下からやたら出てくる「役に立たない板」に笑った。2024/02/27

青猫ノラ

9
作者本人が手がけた挿絵が、物語を補完しながら行間のイメージを広げているようで、とても素敵な感じでした。いろんな生き方をする人たちがいて、つながり方や居場所にも色々な形があっていいと、読者の背中をそっと押してくれるような物語。ラストは、作者の方の決意表明のようにも感じられて、グッときます。文章と絵の両方を手掛ける次なる作品が出ないかな。2023/10/22

鳩羽

8
防腐塵という物を腐らせない砂漠から、古代人が残した物を掘り当てて暮らす旅ガラスとなったツバメ。助けてくれたミサゴや、喋らないキツツキと3人で上手く暮らしていた。しかし、ツバメのもつバンクシアという変わった物の存在が、旅ガラス、海の民、砂族にとって特別なものと分かり…。おそらくAIによって、一度滅びた世界の生き残り達が、サバイバルする話。価値観の変換が起こり、知識は断絶し、環境や信仰、自然のなかで生きることについて触れながら、話自体は重苦しくなく、ほのかな寂しさと期待に彩られている。絵も良かった。2023/11/25

ぱに

5
設定がおもしろい、いわゆるディストピアもの。物質を腐らせずサビさせない防腐塵という砂に覆われた近未来、主人公は砂漠に埋まったものを探して生計をたてる旅ガラス。元々は旅ガラスではなかった主人公が知らなかった世界を知っていくうち、知らなかった希望が見えてくる。一方で人のエゴも描かれていて一歩間違えたら北斗の拳の世界になりえるんじゃ?と思っちゃう世界観ではあるんだけど優しさが根底に感じられて希望が感じられる。もしかしたらこういう未来もありえるのかも…と思った2024/05/19

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