講談社選書メチエ<br> 日本精神史 近代篇 上

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講談社選書メチエ
日本精神史 近代篇 上

  • 著者名:長谷川宏【著】
  • 価格 ¥3,355(本体¥3,050)
  • 講談社(2023/10発売)
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  • ISBN:9784065235218

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内容説明

縄文時代の巨大建造物から江戸末期の『東海道四谷怪談』まで、日本の美術・思想・文学の精神のありさまを、長大かつ深遠な歴史として一望のもとにとらえた傑作『日本精神史(上・下)』は、その年(2015年)の人文界の最大の収穫として話題をさらいました。

本書は、読者諸氏が待ち焦がれたこの本の続篇です。題して、『日本精神史 近代篇』!

この本が扱う時代は、その名のとおり江戸の終わりから20世紀の終わりにいたるまで。
日本の歴史上、最大のインパクトのひとつである幕末の大転換期から、21世紀のいまを生き、わたしたちの生活に多様な彩りをあたえ、生きる源となるゆたかな精神のその発露までを追っていきます。
日本近代の美術・思想・文学の三領域にわたる文物や文献を手がかりに、そこに陰に陽に示された精神のありようを、ときに冷静に、ときに客観的に言葉にした、前作『日本精神史』と双璧をなす大作です。
著者は、前著同様、本書についても難解であることを決していさぎよしとしません。読みやすさに細心の注意をはらい、あくまでも流麗に、そして明解に描ききります。
幕末から20世紀の終わりにいたるまでの150年にわたる時代の精神とはいったいどのようなものなのか? 近代における壮大かつ激しい精神の大河を、ここにご覧ください。
上巻は、近代の始まりから、啓蒙思想の転変や近代文学者の苦闘などを経て、岸田劉生や村上華岳らによる美の探究まで。
きな臭い時代へと突入するその精神のさまがじょじょに浮き彫りにされていきます。

【目次より】
はじめに
第一章 近代の始まり
1高橋由一/2『米欧回覧実記』
第二章 啓蒙思想の転変
1福沢諭吉/2加藤弘之/3中江兆民
第三章 近代文学者の苦闘
1坪内逍遥と二葉亭四迷/2北村透谷/3樋口一葉/4島崎藤村――抒情
第四章 美術表現の近代性
1青木繁/2菱田春草/3荻原守衛と朝倉文夫
第五章 日清・日露戦争――ナショナリズムの嵐
1日清戦争とその前後/2戦後経営/3日露戦争
第六章 森鴎外と夏目漱石――近代的知性の面目
1森鴎外(その一)/2森鴎外(その二)/3夏目漱石(その一)/4夏目漱石(その二)
第七章 韓国併合と大逆事件
1韓国併合/2大逆事件
第八章 民俗への視線、民芸への視線――柳田国男と柳宗悦
1民俗学の創成/2民芸を慈しむ思想
第九章 言語表現への熱情
1斎藤茂吉/2萩原朔太郎3宮沢賢治――修羅の苛立ちと彷徨
第十章 絵における美の探究
1岸田劉生/2村上華岳

目次

はじめに
第一章 近代の始まり
1高橋由一――リアリズムの牽引力/2『米欧回覧実記』――学びの純真さ
第二章 啓蒙思想の転変
1福沢諭吉――時流に乗って生きる/2加藤弘之――近代的な知の危うさ/3中江兆民――内面へと向かう思想
第三章 近代文学者の苦闘
1坪内逍遥と二葉亭四迷――文学と俗世のはざまで/2北村透谷――内面への問い/3樋口一葉――底辺の人びとへの文学的共感/4島崎藤村――抒情と倫理
第四章 美術表現の近代性
1青木繁――ロマン的情熱/2菱田春草――せめぎ合う伝統と近代/3荻原守衛と朝倉文夫――近代彫刻とはなにか
第五章 日清・日露戦争――ナショナリズムの嵐
1日清戦争とその前後/2戦後経営/3日露戦争――一世を風靡する主戦論、抗する非戦論
第六章 森鴎外と夏目漱石――近代的知性の面目
1森鴎外(その一)――『舞姫』と『雁』/2森鴎外(その二)――『渋江抽斎』/3夏目漱石(その一)――『三四郎』『それから』『門』/4夏目漱石(その二)――「現代日本の開化」
第七章 韓国併合と大逆事件
1韓国併合/2大逆事件
第八章 民俗への視線、民芸への視線――柳田国男と柳宗悦
1民俗学の創成/2民芸を慈しむ思想
第九章 言語表現への熱情
1斎藤茂吉――自然・自己一元の生/2萩原朔太郎――モダニズムと望郷/3宮沢賢治――修羅の苛立ちと彷徨
第十章 絵における美の探究
1岸田劉生――自分の流儀/2村上華岳――品格のある美しさ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

19
「日本精神史」に打ちのめされた私には待望の続編。開国、明治維新から急速に欧米化していく日本人の精神を多面的に分析していきます。上巻から感じた私の問題意識は2つ。①著者は日本の近代思想は孤独の深み、個の自由を生きることに極めて不徹底というが、それは正しいか、②グイグイ軍国主義を突き進む国家思想と人々の日常感覚という思想は調和するのか。私はこれから、著者の思想を本書で取り上げれた次の人達の著作等から重層的に深めていきたいと思います。①高橋由一、②中江兆民、③青木繁、④森鴎外、⑤柳宗悦、⑥萩原朔太郎、⑦岸田劉生2024/01/08

碇草

0
文章が丁寧で読みやすいのに驚いた。それでどんどん読み進み、最後まで楽しみながら読むことができた。読み終わって、それでは、何が理解できたかなと問うてみると、結局、語られている原典を自分が読んでいなくては、話にならないということが分かった。さすが哲学者だけに、読者に読みたいなという気持ちにさせ行くのがうまい人だ。この本は、一種の読書案内なので、これを導きとして、論評されている書物を読んでいこうと思う。漱石「文明論集」が手始めだ。2025/03/17

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