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内容説明
カモの携行する金をだまし取る「ショート・コン」から、大がかりな舞台演劇のごとき「ビッグ・コン」まで、20世紀初頭にアメリカの都市で発展した信用詐欺の多彩な手口を紹介し、詐欺師たちの驚くべき生態に迫る。その手口のほとんどは時代とともに廃れたが、詐欺の根幹をなしている心理的な騙しのテクニックは、現代的な詐欺の多くにも引き継がれている。映画『スティング』の元ネタとなった名作、ついに文庫化。悪用厳禁!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともブン
11
原著の初版は1940年。言語学学者の根気強いリサーチによって書かれた様々な詐欺の手口。誰もが持つ小狡さや泡金の誘惑を餌に大金を巻き上げていく詐欺師たち。被害者に同情的だったのに、読み進めるうちに騙される方が悪いという見方が強くなっていく妙。欲に塗れた被害者たちが綺麗に蓄財してきたとは思えないからか。舞台装置と役者たちが目の前に繰り広げる現実としか思えない罠。自分だけのために演じられた劇と思えば一見の価値アリ?ただし観覧料は高くつくけれど。そして世に盗人の種は尽きまじ。手を変え品を変え今もなお詐欺は健在。2024/04/08
よっしー
6
1940年に初版が刊行されたとのことなので、かなり昔の事例ばかりだ。なので詐欺の手口自体は現代では通用しないものが殆どだろう。しかしながら、騙される人は昔も今も変わらないということ。全くの善人でもなく、悪人でもない、しかし状況が整えば誰かを騙してやろうと思うタイプの人間。残念ながら、世の中の大半の人間は、機会さえあれば誰かを騙す側に付くものだということがよく分かった。次々と詐欺の手口を開発する者は相当に頭のいい人物、起業家として世に名を馳せるか、それとも悪人として暗躍するかは紙一重だとつくづく感じた。2025/02/14
ナリボー
6
5/10 内容はさておき、翻訳本にありがちなまどろっこしさの悪いところがかなり出ていて個人的に合わなかった。2024/08/01
さぶろうの領土
5
この本を読んだあと、あなたにはいくつかの選択肢がある。①詐欺師になる②防犯に努める③創作活動に活かす④ただただ読んで楽しむ ①はお勧めしないなぜなら、主にアメリカにおける詐欺の歴史、有名な詐欺師、大まかな手口、組織体系、いくつかの実例、についての紹介はしているが、それを知ったところで現代で活用できるようなモノではない。入門書を読んで詐欺師になれると思うような人は詐欺に騙される人なので気をつけましょう。 ②詐欺師たちは実に巧妙に被害者に近づき、信用させ、疑わせない構造を作り、儲けたいという欲望を引き出す2025/08/15
ぽぴ
4
1940年代アメリカの信用詐欺について書かれた本…の復刊版。言語学者の人が書いたものだけれども、人間心理的な話が多分に含まれている。 こうやって人は騙されるんだなぁとか、会ったばかりの人の信頼を勝ち取る方法だとか、現代にも通じる内容が沢山。2024/12/08