ハッキング思考 強者はいかにしてルールを歪めるのか、それを正すにはどうしたらいいのか

個数:1
紙書籍版価格
¥2,420
  • 電子書籍
  • Reader

ハッキング思考 強者はいかにしてルールを歪めるのか、それを正すにはどうしたらいいのか

  • ISBN:9784296001576

ファイル: /

内容説明

富裕層、権力者、急成長企業はシステムをハッキングして成功した。
AI時代にルールを味方につけるには、「正しいハッキングの考え方」が必要だ。

あらゆるシステム(コンピュータ/金融/法律/政治/認知……)はハッキングでき、それは大きな成果を生む。
・ピーター・ティールは10億ドルの資本利得税を支払わずに済んだ。
・グーグルやアップルは税制の抜け穴を利用して多額の税金を逃れた。
・ゴールドマンはアルミニウムを買い占め供給を操作、膨大な利益を得た。

ハッキングとは、システムが新たな環境・展開・技術に適応していく過程である。
強者と弱者では、ハッキングのしかたに違いがある。
強者は、権力を行使する方法のひとつとして使う。
弱者は、権力構造をくつがえすために使う。

規則は破るためにある、とよく言われる。だがそれ以上に、規則は出し抜かれ、悪用され、回避され、裏をかかれる――つまり「ハッキング」される。人間の独創性をとかくゆがんだ意図に利用し、文明社会のよって立つ制度を損ねるこのハッキングという現象を説明するのに、ブルース・シュナイアーほどの適任者はいない。『ハッキング思考』は、現代社会の活力と健全性を奪いかねないこの力について新たな発見をもたらす重要な一冊だ。
――スティーブン・ピンカー(ハーバード大学心理学教授、近著『人はどこまで合理的か』)

本書は、 情報セキュリティの第一人者Bruce Schneier著、A Hackers Mind: How the Powerful Bend Societys Rules, and How to Bend them Back の邦訳です。

目次

第1部 ハッキング入門
第2部 基本的なハックとその防御
第3部 金融システムのハッキング
第4部 法システムのハッキング
第5部 政治システムのハッキング
第6部 認知システムのハッキング
第7部 AIシステムのハッキング

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hitomi

14
読売新聞の書評を読んで。面白かったです!各章が短く翻訳も良いのでテンポよく読めます。本書におけるハッキングとは、コンピューターだけではなく「システムが新たな環境・展開・技術に適応していく過程」のことで、違法でも不正でもなく、想定を超えた巧妙なやり方で裏をかく方法。特に面白かったのは、スポーツ界や金融システム、認知システムのハッキング。また、近い将来ありうる、AIによるハッキングは危険性が高いそう。政治や金融システムのハッキングは手間もお金もかかるので強者にしかできず、弱者はさらに負担を強いられるとは…。2024/04/11

茶幸才斎

7
ルールや仕組みの間隙を突いて利益を得る行為をハックと称し、電算システムはもとより、金融・法制度、政治や選挙運営、人の認知機構、そしてAIに関わるハッキングの事例について解説している本。要するに〝ズル〟である。ズルするのもズルを防ぐパッチ当ても、ともに権力や財力があり専門技術を動員できる組織や一部の人たちの間でなされる高度で複雑なイタチごっこに思えて、私のような下々の者はそれで不利益を被っていても気付きさえしないほど、為す術なしと感じる。ひとまず、人様に迷惑をかけてはいけません、というルールでやってほしい。2023/12/14

カズオ・ハラグロ

3
GAFMAの支配に関する話題と思ったが、イメージが大きく違った。政治システムなど多くの分野がテーマとなっている。 ハッキングとは不正とは別物である。ハッキングは受益者が自身の利益のために既存のルールの穴をかいくぐって行動するのに対し、不正は既存のルールの規則を違反して行うことを指す。ハッキングを防ぐためにはルール改定などのパッチを充てる必要がある。 ただ、これからハッキングを最も有効活用するのはAIではないだろうか。将棋やチェスのAIは人間のルール思考を外れた戦略を思いつくため、プロにも勝利している。2024/07/06

Ujiro21

3
通勤用に。イノベーションとは逆向きに働く。テック分野にのみならず、法体系も含め、システムの不備をつく。昨今の社会正義が叫ばれる理由が腑に落ちる。2024/01/04

古民家でスローライフ

2
セキュリティに関する著名な専門家によるハッキングについての考察を、コンピューターのハッキングという意味のみならず、政治や経済、金融システムのハッキングという意味で、強者がその抜け道を、自分達に都合のいいように利用していることを具体的な事例を示して解説した一冊。普段、生活していると、法というものに対して特別意識することなく守るべきものだという認識を持つが、当然、それは、人間が作ったシステムの一部であり、そこには、抜け道が存在している。大きすぎて潰せないハックは、強者の論理の典型的なものとしてわかりやすい2025/01/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21516313
  • ご注意事項

最近チェックした商品