内容説明
「カメムシ」と聞くと、どんなことを思い浮かべますか? 「あの臭い虫?」と、おそらくあまり良いイメージはもっていないのではないでしょうか。でも、じつはカメムシには、美しいものや、かわったかたちのものなど、いろんな種類がいて、よく見ると、なかなかおもしろい生きものなのです。岩手県葛巻町にある小学校で、そんなカメムシをみんなでさがして、調べて、「カメムシずかん」まで作ってしまったお話です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真香@ゆるゆるペース
135
図書館本。岩手県葛巻町の小学校での実話の絵本化。葛巻町は町全体で厄介者のカメムシに悩まされており、小学校でも同じだった。ある日、それを逆手に取った校長先生が、カメムシを捕まえて調べてみんなでカメムシ博士になりましょうと提案。最初は戸惑っていた生徒達もだんだんと熱中しだして、ついにはカメムシ図鑑が完成。自然の中で調べて学べるって何て素晴らしい環境なんだろう…!厄介者が宝物になっていく過程に感動した。カメムシの生態や種類についても知ることができたので、これからは前よりも温かい目で見ることができそう。2020/08/15
へくとぱすかる
93
今年の課題図書。岩手県の児童数29人の小学校。やっかいもののカメムシが、校長先生のひとことで研究対象に変身! 熱心に集めてついに宝になる。変われば変わるもの。協力をあおいだ専門家の中に、伊丹市昆虫館の名前を見つけた。なるほど。行ったことあるよ。研究熱心さのおかげかな。それにしても兵庫から岩手! すごいなあ。ちなみにあのにおいは、微量なら香水にもなるそうだ。私も鼻がきかないから、むしろいいにおいだと感じる。本当です。昨日窓のすきまに何匹もいた。あれは寒くなったから暖をとっていたんだなあ。2021/10/21
☆よいこ
84
岩手県葛巻の小学校での実践を本にしたもの。全校児童29人の小さな小学校ではカメムシが厄介者で、たくさんのカメムシに悩まされていた。ある日、校長先生が「みんなで〈カメムシはかせ〉になりましょう」と提案し、見つけたカメムシを図鑑で調べて廊下に張り出すようにした。子供たちはこぞってカメムシを探し、名前を覚え、最終的には「カメムシずかん」まで完成させた。1年間に見つけたカメムシは35種。嫌われ者だったカメムシが、どんなにバラエティ豊かで興味深いものなのか、気づいた小学生の素直な喜びが伝わる本。絵も可愛い。良本2020/11/19
鱒子
65
図書館本 読友さんのご紹介。わたくし感動でうるうるです(涙目。岩手県葛巻町江刈小学校のみんなが、カメムシ博士になった記録絵本。嫌われ者で厄介者の「カメムシ」でしたが、知れば知るほど面白くなり……。はたこうしろうさんの奥行きと広がりのある絵が素晴らしいです。2020/06/27
モモ
61
岩手県葛巻の小学校で11月頃になると、たくさんのカメムシが冬をこすため校内に入ってくる。やっかいもの扱いだったが、校長先生に「カメムシ博士」になろうと提案され、調べていくうちに、カメムシを見る目が変わってくる。そして、ついにはカメムシを「宝もの」と思えるようになった。カメムシと上手につきあうコツは「やさしく、そっと」扱うこと。200種以上のカメムシがいて、小学校で見つけたのは35種。また見つけていくのが楽しみなんだそう。なんだか良い話でした。2020/12/22