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内容説明
人類の歴史は自然からの制約によって形づくられてきただけではなく,自然を変える行為の積み重ねでもあり,その自然改変の結果がさらに社会に影響を及ぼすという,相互作用の帰結である.先進国では珍しく緑豊かで国土の三分の二は森林に覆われている日本列島を対象に,国家と市場と森林の関係を解き明かす比較環境史.
目次
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はしがき
序
第1章 環境史へのアプローチ
はじめに
1 自然改変
人類史は環境破壊の歴史か/西欧の自然観と森林/アジアの自然観と森林
2 環境保全と近代
森林縮小の軌跡/森林転換の近代/途上国の問題/国家か市場か、トップダウンかボトムアップか/コモンズ
3 『文明崩壊』
ダイアモンドの検証例/イースター島の場合/要因群と歴史的文脈/国家と市場、トップダウンとボトムアップ
4 日本は特殊か
通念の問題/タットマンの解釈/育成林業と市場
5 比較事例分析
第2章 歴史統計から
はじめに
1 世界の森林被覆とその推移
森林とは/世界の動向
2 諸大陸、諸地域によって異なる趨勢
大陸別、地域別/ヨーロッパとアジア
3 「大分岐」
ポメランツ説/環境史の伝統的史観/問題点
4 人口と森林伐採──四つの事例
人口と森林/対象地域とデータ/若干の観察/分析的関係
5 小括
第3章 徳川日本の歴史的位置
はじめに
1 生態環境の危機
新田開発と人口成長/環境破壊の進行
2 危機への対応
規制/天然更新/地元開放の仕組
3 荒廃の原因
新田開発か都市化か/開発の実態
4 市場経済の二面性
環境破壊作用/農書作者たち/薪炭業
5 二つの主体、二つの対応
要約/論点
第4章 市場の機能──比較Ⅰ
はじめに
1 徳川日本の林産物市場
林産地/生産構造と生産性
2 伝統中国の林産物市場
江南の木材市場/育成林業/林業請負制度の日中比較/長期的趨勢
第5章 国家の役割──比較Ⅱ
はじめに
1 森林保全における近世国家
伝統中国/徳川日本/意図と意図せざる結果
2 ドイツと明治林政
プロイセン/明治の森林荒廃/森林法と多層な対応
3 結論
結
註
参考文献
感想・レビュー
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井上岳一
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