内容説明
宇宙開発は,冷戦期を通じて米ソの軍拡競争の一環として進められてきた.冷戦終焉後の今日,各国は何をめざして宇宙開発に取り組んでいるのか.宇宙を語る際にありがちな「夢」や「希望」といった美化されたイメージを離れ,また,宇宙の軍事利用を告発するセンセーショナリズムとも一線を画し,宇宙開発を今日の国際政治の中で捉え直す.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
序章 国際政治における宇宙開発
1 「ハードパワー」としての宇宙システム
2 「ソフトパワー」としての宇宙システム
3 「社会インフラ」としての宇宙システム
4 公共事業としての宇宙開発
5 コモディティ化する宇宙システム
まとめ(序章)
注(序章)
第I部 宇宙開発国の政策目的
第1章 アメリカ――技術的優位性の追求
1 スプートニク・ショック
2 ガガーリン・ショック
3 人工衛星の開発による「ハードパワー」と「社会インフラ」の獲得
4 アポロ計画
5 ポスト・アポロ計画
6 国際宇宙ステーション
7 冷戦の終焉と軍事宇宙開発
まとめ(第1章)
注(第1章)
第2章 欧州――政府間協力からの変容
1 ESRO とELDO
2 自律性を求めて
3 宇宙システムの商業化
4 有人宇宙飛行と欧州
5 ポスト冷戦とグローバルな競争力の強化
6 EU の参入
まとめ(第2章)
注(第2章)
第3章 ロシア――冷戦時代からの遺産の活用
1 偶発的衛星打ち上げ
2 人類初の有人宇宙飛行
3 軍主導の社会インフラ化
4 長期宇宙滞在計画とその遺産
5 もう一つの遺産としてのロケット打ち上げ能力
6 プーチンによる「強いロシア」の復活
まとめ(第3章)
注(第3章)
第4章 中国――大国の証明
1 マッカーシズムと銭学森の帰国
2 大躍進から文化大革命へ
3 宇宙開発の再スタート
4 有人宇宙飛行への野心
5 対衛星攻撃実験と軍事宇宙システム
まとめ(第4章)
第5章 インド――途上国としての戦略
1 独立と宇宙開発
2 インドのロケット開発
3 「社会インフラ」としての宇宙開発
4 大国としての宇宙開発――月探査と有人宇宙事業
5 大国としての宇宙開発――軍事宇宙利用
まとめ(第5章)
注(第5章)
第6章 日本――技術開発からの出発
1 学術研究としての宇宙開発とアメリカの介入
2 「平和利用原則」の確立
3 キャッチアップと「研究開発」への邁進
4 省庁再編とJAXA の発足
5 テポドン・ショック
6 宇宙基本法の制定
まとめ(第6章)
第II部 グローバル・ガバナンスと宇宙技術
第7章 地域協力――途上国開発への活用
1 商業サービスによる宇宙システムへのアクセス
2 アジアにおける中国と日本の覇権争い
3 ラテンアメリカ
4 宇宙開発に目覚めるアフリカ
まとめ(第7章)
注(第7章)
第8章 グローバル・コモンズとしての宇宙――宇宙空間のガバナンス
1 静止軌道のガバナンス
2 地球観測のガバナンス
3 軌道上のガバナンス
4 宇宙の「兵器化(weaponization)」は止められるのか
まとめ(第8章)
注(第8章)
終章 宇宙開発は国際政治に何をもたらすか――グローバル化時代の宇宙開発
1 21 世紀の宇宙政策をめぐる政策軸
2 グローバル化時代の宇宙開発
注(終章)
宇宙開発略年表
あとがき
感想・レビュー
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メルセ・ひすい
ワッキー提督
メルセ・ひすい
ポルターガイスト
よこ山
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