内容説明
東京地裁民事部の山代忠雄は派手な刑事裁判とは無縁の中年判事。だが、誰にも言えぬ裏の顔があった。その正体は霞が関「東京ゼロ地裁」裁判長――刑事事件の被害者側が民事で勝ち取った賠償金を踏み倒す悪党を、同じ手口で100万倍返しのうえ取り立てる影の裁判所のボスなのだ。いじめの主犯格や極悪レイプ魔など許せぬ未払い人を追う山代は、部下の熱血執行官、歌舞伎町の凄腕美人女医らとともに、ターゲットの金も命も容赦なく強制執行していく。書き下ろしシリーズ第1弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
61
民事担当の山代判事は派手とは無縁の職務。 だが法で限界のある悪質な犯罪を犯した者たちへの裁きを行う、東京ゼロ地裁の裁判長として悪を裁く。 現実こんなことは出来ないが、卑劣なレイプ犯などを懲らしめる。 ただ罰を与えるのではなく、被害者家族に寄り添うための復讐になっているのが痛快。 前半陰惨な描写が多いが、それもこれも犯罪人を地獄に陥れるため。 スッキリする終わりの中で、山代判事が家庭人に戻っていくのもホッとする。2024/04/12
坂城 弥生
43
凶悪犯が本当に屑だったから裏で成敗されて痛快だった。2023/11/22
海の仙人
35
著者2冊目。女性を狙った卑劣な性犯罪に対して、被害者や遺族の無念を晴らすべく、実刑を越えた極刑を執行する裏の極秘組織「東京ゼロ地裁」。「極刑」に続き、この作品も現代版必殺仕置人といった雰囲気でした。シリーズ第1弾ということなので、次作はより魅力的な執行人を加えた長編を楽しみにしています。2023/12/17
のんちゃん
34
東京地裁民事部山代忠雄には裏の顔があり、それは刑事事件の被害者が民事訴訟で勝ち取った賠償金を犯人が踏み倒した時、その犯人から同じ方法で取り立てをする「東京ゼロ地裁」の裁判長。所謂、必殺仕事人現代版。犯行の描写箇所にこちらまで怒り心頭に発する。実際の事件を彷彿させる事案もあり、その点でも暗澹たる気持ちになる。実際には無理な設定だが、勧善懲悪の話運びは溜飲を下げる。善良な民事部判事と冷徹なゼロ地裁裁判官の両方の精神の均衡を保つ事にこれからの山代がどう対処していくかも興味深い。1とあるので続編は出るだろう。2023/10/09
fuku3
25
2023.9.16読了。東京地検の民事事件を担当する判事山代忠雄は妻に頭が上がらない子煩悩な普通の家庭人であるが絶対に表には出せない裏の顔がある!"東京ゼロ地裁"の裁判長としの裏の顔である!賠償金の支払いを逃れようとする悪党共をゼロ地裁の仲間達とあの手この手を使い被害者の無念を晴らすべくキッチリと償わせる!正に現代版"必殺仕置人"…。仕置人は恨む方が殺しくれと金を出すが、こちらは何としても賠償金を支払わさせる!たとえそれが刑務所に居る受刑者でも!自分の臓器を売ってでも!ゼロ地裁の仲間のキャラが謎だらけ!2023/09/16