内容説明
「南国の台湾に季節感なんてあるの?」
そう思う日本の方も多いかもしれません。でも実は、月の満ち欠けと「二十四節気」にそった自然のめぐりに行事や風習など、台湾ならではの季節の移ろいと暮らし方があり、その営みは台湾の複雑な歴史や人々の多様なバックグラウンドに支えられています。
「小さなテーブルにお菓子や線香を立てて、紙を焼いてるのはどうして?」
「先住民のお正月はいつ?」
「台湾茶『東方美人』は偶然うまれた?」
知れば知るほどおもしろい、台湾文化。
日本と根っこで繋がったアジアの国々の文化を感じつつ、その種が日本の風土で育ってきた道のりに思いを走らせながら、台湾の風土や移ろう季節にまつわる色んなことを知って、次に台湾に行くのが楽しみになる。そして現地に降り立つと台湾風景が少し違って見える。
そんな台湾の歳時記と、台湾の「今」をあわせて台湾在住の著者がお伝えします。
【目次】
季節のこよみで台湾をもっと知る。
東アジア地図/台湾周辺地図/台湾全図
本書での用語について
二月 立春/雨水/二月の七十二候
三月 啓蟄/春分/三月の七十二候
四月 清明/穀雨/四月の七十二候
五月 立夏/小満/五月の七十二候
六月 芒種/夏至/六月の七十二候
七月 小暑/大暑/七月の七十二候
八月 立秋/処暑/八月の七十二候
九月 白露/秋分/九月の七十二候
十月 寒露/霜降/十月の七十二候
十一月 立冬/小雪/十一月の七十二候
十二月 大雪/冬至/十二月の七十二候
一月 小寒/大寒/一月の七十二候
あとがき
主な参考文献/主な参考サイト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
livre_film2020
34
台湾の風習などを、二十四節気•七十二候ごとに紹介する本書。馴染みのない料理や動物も、巧みな文章とイラストを交えて教えてくれる。しかし、それだけには留まらない。日本ではあまり語られない台湾統治時代など、負の歴史も織り交ぜてある。「親日の台湾」と日本では紹介されるが、その暴力性に気づかされる。台湾は美味しいご飯と優しい人々が暮らす国と捉えることの愚かさよ。台湾を旅する前に読んでおきたい。そうすれば、その文化の豊かさと、日本との関係において新たな捉え方をすることができるだろう。過去を背負って進む覚悟と共に。2024/03/02
みやち🐹
2
図書館本。身近で台湾旅行をする人が増えたこともあって気になり。二十四節気は中国のイメージが強かったので、台湾はもちろん日本版も知れて楽しかったです。同時に日本と台湾の間にある歴史に対して無知すぎる自分が恥ずかしくなりました。戦争だけは絶対にしてはいけない。文化人類学的なことが好きなので、お祭りや門神などその季節・その地域ならではの引き継がれている文化がたくさん見れたことは大変いい勉強になりました。2025/03/30