内容説明
『廃屋令嬢』と蔑まれても誇りを失わず生きてきた雛は、冷酷な実業家の鷹と、契約でのみ結ばれた夫婦となった。けれど雛はその賢明な生き方で鷹を助け、鷹もまた雛に利用価値以上の、暖かな何かを見出しつつあった。
巷で浅草十二階が賑わう時分。宝石事業の展開に腐心する鷹のもとに、かつて彼を裏切った元婚約者の寧々が、資金と家柄を持って現れる。彼女は復縁を条件に、援助の契約を交わすという。そう、この嫁入りは契約だから、花嫁は自分でなくて良い。気付かされた雛に、鷹が示した態度は――?
感想・レビュー
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はなりん
13
シリーズ第2弾。爵位の為に貧乏侯爵令嬢の雛と契約結婚した実業家伯爵当主の鷹、契約結婚ならではの心のすれ違いが、中々引っ張りました。他家の侯爵夫人が、勝手に執務室に入って来るとか、帰る時に使用人も付けず屋敷内に放つとか、ちょっと有り得ないなぁって思う事がちょこちょこある。鷹も生い立ちが複雑な為恋愛に疎いのは仕方ないけど、誤解を招く言葉選びが多くてハラハラした。今回の騒動は解決したけど、契約結婚継続で、本物の夫婦まではいかなかった。本家の当主の座の件もまだ決着してないので続きますかね。2023/10/21