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内容説明
ユネスコ無形文化遺産に登録された秋田県の季節行事・なまはげ。由来となった昔話が絵本に。ある日、男鹿半島にやってきた5匹の鬼たち。人々のために懸命に働きますが、誤解され、村人たちとある賭けをすることになり……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
54
なまはげって有名だけどどんな由来があるのかは聞いたことがないな、なんて思っていたところに、ちょうど読メでこの絵本を見つけ読んでみた。表紙のインパクトに負けない、力強く魅力的な版画で語られるのは、不幸な鬼たちの物語。まさかそんな話だったとは…。何らかの実話ベースであれ、作り話であれ、ずるいこと、悪いことをしてしまった後悔を伝承し続ける、ってどんな心持ちなんだろう。それを秋田生まれの著者が語り継ぐ。秋田の人のなまはげへの想いの深さははかりしれない。単純に悲しい、可哀想、だけではない、複雑な気持ちが残る絵本。2021/03/27
ヒラP@ehon.gohon
31
なまはげがユネスコ無形文化遺産に選ばれたことも、その由来も初めて知りました。 男鹿半島に連れてこられ、人々のために働き続けた5人の鬼たちは、ぞの異形のために恐れられたけれど、神様のような存在だったことに感動しました。 一夜にして千段の階段を作ろうとする村人たちの条件を、残り一段でやり終えることができなかった無念さはいかばかりでしょう。 そのような由来だから、伝承として絶えることのない行事なのかも知れません。2021/04/01
canacona
23
なまはげのお話。1000段の階段を作る村人との勝負は知ってたけど、その前、海外からやってきて、置き去りにされて行った家族だったとは知らなかった。鬼ヶ島の鬼と一緒で、渡来人だったんだろうなぁ。後から神様に祭りあげるくらいなら、仲良くできてたらよかったのにとは思うけど、島国の民族では、外見が違うっていうのは大きかったんだろうなぁ。追い出した鬼が年に一度降りて来るってことは、距離を置いてそれなりに交流して暮らしていた、ということなのかな。とっぴんぱらりのぷう。2021/06/28
ふじ
21
諸説あるナマハゲの由来から、大陸から来た王のしもべである鬼説を絵本にしたもの。石を積ませる話は他国の神話でも読んだから、昔から伝わる話には共通項が感じられ興味深い。とはいえナマハゲ可哀想だな…個人的には解説にあった「いろりにあたってばっかりの怠け者にできた“なもみ“をはぐ奴」説が初耳だけど説得力があり好き。2022/03/27
ベル@bell-zou
21
働き者だった鬼たちがその恐ろしい姿の為に下りた村で恐れ嫌われ傷心するがそれが怒りに変わり村で大暴れ。偽物の一番鶏の声にだまされて村人との約束にあと一段を残して石段を完成できなかった鬼たちは山へと消えた。だましたことをうしろめたくおそれた村人たちは大晦日に雄たけびをあげながら山から下りてくる鬼たちをもてなすようになったという。「なまはげ」の由来は諸説あるらしく、実際私が父からきいたことと違い、このお話は漢の武帝が鬼を連れてきた伝説を基にしているそう。けれども「怠けるな」ということは同じ。真面目で正直に。2021/12/31