戦争と財政の世界史―成長の世界システムが終わるとき

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戦争と財政の世界史―成長の世界システムが終わるとき

  • 著者名:玉木俊明【著】
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  • 東洋経済新報社(2023/09発売)
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  • ISBN:9784492371350

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内容説明

「戦争」と「財政」によって形成された現代社会。防衛費倍増の財源として増税や国債発行が議論される今、その歴史的背景を探る。

現在、日本では5年間で防衛費を現在の2倍まで引き上げることが検討されている。その財源として、増税と国債発行という2つの方法が考えられる。
増税をすると、通常、経済は成長しない。しかし、その根底にあるのは、増税しても、やがて経済は成長するという一種の信仰ではないか。増税論者には、一時的に増税をしてもやがて日本経済は復活するという前提がある。
それに対し国債を発行すべきだと主張する人々は、増税で経済成長がストップすると考えている。経済は常に成長すべきであり、それを妨げるような政策はすべきではないと考えているように思われる。
一見すると矛盾しているように思われるこれらの考え方の基底には、持続的経済成長は当然のことだという前提がある。しかし、この前提自体が間違っているかもしれないのだ。
近世以降の世界で国債を大量に発行できたのは、経済成長が前提となっていたからであるが、現在の日本では人口が減少しており、さらに近い将来世界で人口が減少するかもしれず、経済成長が期待できるかどうかはあやうい。本書では、日本をはじめとする世界経済の債務超過が招く危機の可能性までを問う。

目次

序 章 国の借金はなぜ減らないのか
第1章 「戦争国家」オランダの財政革命
第2章 財政=軍事国家イギリスの興隆
第3章 商人がつくった「帝国」システムーーハンブルクとロンドン
第4章 ディアスポラの民が世界を縮めた
第5章 手数料と電信の世界帝国
第6章 恒常化する国家の財政赤字
終 章 成長の世界システムが終わるとき
あとがき
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

33
「戦争」と「財政」によって形成された現代社会。防衛費倍増の財源として増税や国債発行が議論される今、なぜその発想に至っているのかその歴史的背景を探る一冊。国の借金はなぜなかなか減らないのか。日露戦争や第二次世界大戦などを例に国債発行残高の世界的な増加傾向、国債が作り上げた近代世界システムの端緒となる戦争国家オランダの財政革命、財政=軍事国家イギリスの興隆、商人が作った帝国システム、世界を変えた手数料と電信の登場を取り上げていて、未来を予想する内容ではないですが、ユニークな視点から解説していて面白かったです。2023/10/11

22
近代経済の起源であるオランダからえげれす、ディアスポラへと他の著作でも触れている歴史が語られる。そして地球に未開拓の土地がなくなった今、近代経済システムも持続的経済成長も終了ではという結び。それに代るシステムや未来の展望の言及はなかったんだけど、あくまでも歴史の本だからこれでいいのかな…。希望が欲しい。戦国時代のアジアは宗教的多様性があり、これはキリスト教一択の欧州ではありえなかったという指摘が面白かった。元から宗教的多様性があるアジアにキリスト教徒の欧米が入り込むのにそこまで障壁がなかったってやつ。2024/05/22

くものすけ

10
目からうろこの世界史に驚いた。こんな見方があったのかと頷かされることばかり。戦争の勝者=国(公)債の発行力と単純に考えてもいいのではないか。かつての歴史では戦時下で膨大に積み上がった国債残高は戦後の経済復興で返済が出来ていた。しかしながら、現在の国債残高(日本を先頭に先進諸国含め)の返済は今後の経済の発展という展望が描け無いと悲観的。景気が戻らず増税も叶わず(日本は例外)財政健全化も覚束ない、それでも社会保障費用の増加は止められないので国債発行がさらに積み上がるという悪循環を断ち切れず!問題は深刻です…2024/11/23

くらーく

3
この本は興味深いな。手元に置いておいて、他の本と照合しながら何度か読んでも良さそう。 戦争は、一時的な出費(歳出)を、特別会計で処理する。基本的には借金(国内、海外)や金融緩和でやり過ごし、戦後にインフレと経済成長で長期返済。 ただ、現在の先進国は、恒常的に福祉(年金、医療費、介護等)で、借金漬け。さあて、どうするのかねえ。新たな土地も無いし。もう、経済成長が望めないようだと、いまの債務をどうやって解消するのか???インフレですかね。もう、働かない爺さんには辛い将来ですな。2025/03/27

いけちゃん

1
戦時に国債調達→戦後の経済成長で返済という流れが世界中でなされてきた歴史を概観。国債償還可能な経済成長が今後可能なのかという懸念には深く共感。2024/03/16

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