講談社学術文庫<br> 技術の哲学 古代ギリシャから現代まで

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講談社学術文庫
技術の哲学 古代ギリシャから現代まで

  • 著者名:村田純一【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 講談社(2023/09発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065332320

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内容説明

「技術とは何か?」「技術といかに付き合うか?」ーー古代ギリシャからキリスト教的中世を経て、近代の科学革命、そして現代の最新テクノロジーーー生殖技術、原発、AI……ーーに至るまで、人類数千年の足跡を具体的な事象をベースに辿りながら、普遍かつ喫緊の問題の解答へと迫る、泰斗による決定版・入門書!
不確実で危険に満ちたこの世界を生き延びるための哲学が、ここにある!

[目次]
はじめに 
序章 なぜ、現在、技術は哲学の根本問題となるのだろうか?
第一章 人間にとって技術とは何かーープロメテウス神話と哲学的人間学
第二章 宇宙の秩序に従って生きるーープラトンと価値の問題
第三章 自然の模倣ーー古代:アリストテレス
第四章 「無からの創造」の模倣ーー中世:キリスト教
第五章 自然の支配ーー近代:F・ベーコン
第六章 科学革命ーー近代科学の成立と技術の役割
第七章 イデオロギーとしての科学と技術ーー近代のパラドックス 
第八章 技術は科学の応用かーー知識論の「技術論的」転回
第九章 技術と社会ーー技術決定論から社会構成主義へ  
第一〇章 技術の解釈学ーー変革可能性のために
第一一章 技術の創造性と設計の原理 
第一二章 フェミニスト技術論
第一三章 技術との新たな付きあい方を求めてーーJ・デューイとH・ヨナス
終章 技術・事故・環境ーー福島第一原子力発電所事故からの教訓
補論 日本における技術哲学ーー西田幾多郎、三木清、戸坂潤
引用・参考文献
索引

目次

はじめに
序章 なぜ、現在、技術は哲学の根本問題となるのだろうか?
1 技術と現代の生活
2 技術についての哲学/技術という観点からの哲学
第一章 人間にとって技術とは何か
1 哲学的人間学
2 プロメテウス神話
第二章 宇宙の秩序に従って生きる――プラトンと価値の問題
1 技術・経験・価値
2 精密な技術と精密でない技術
3 製作の技術と使用の技術
4 技術と自然
第三章 自然の模倣――古代:アリストテレス
1 プラトンとアリストテレス
2 アリストテレスの技術論
第四章 「無からの創造」の模倣――中世:キリスト教
1 中世キリスト教のもとでの信仰と労働
2 中世ヨーロッパにおける技術の発展と技術観
3 自然の模倣からの脱却
第五章 自然の支配――近代:F・ベーコン
1 ベーコンの分かりにくさ
2 知は力なり
3 進歩の制度化
第六章 科学革命――近代科学の成立と技術の役割
1 科学革命とは何だったのか
2 「思考法の革命」
3 「実験法の革命」
4 「科学革命」の多様性
第七章 イデオロギーとしての科学と技術――近代のパラドックス
1 発明家と科学者の競争
2 科学と技術の制度的分離
3 近代のパラドックス
第八章 技術は科学の応用か――知識論の「技術論的」転回
1 応用科学説
2 「応用」の具体的過程
3 技術知の特有性
4 知識とその「応用」
第九章 技術と社会――技術決定論から社会構成主義へ
1 二つの逸話
2 技術決定論
3 社会構成主義の挑戦
第一〇章 技術の解釈学――変革可能性のために
1 技術/社会の二重側面説
2 技術の「解釈学」
第一一章 技術の創造性と設計の原理
1 「共同行為者」としての技術
2 技術の「他者性」
3 「未知の応用」としての技術
第一二章 フェミニスト技術論
1 フェミニズムの観点から
2 「非本質主義」のラディカリズム
第一三章 技術との新たな付きあい方を求めて――J・デューイとH・ヨナス
1 技術と倫理
2 応用倫理としての哲学
3 責任という倫理
終 章 技術・事故・環境――福島第一原子力発電所事故からの教訓
1 福島第一原子力発電所の事故
2 「想定外」「「原子力村」「安全神話」
3 「想定外」をめぐる解釈の争い
4 技術・事故・環境
補論 日本における技術哲学――西田幾多郎、三木清、戸坂潤
1 技術論論争
2 西田幾多郎
3 三木清
4 戸坂潤
引用・参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

YO)))

17
プラトンやアリストテレスなども浚いつつ「現代においてアクチュアルな技術の哲学とは何か」に重点を置いて書かれた良い本だと思う。技術が社会を決定するのではなく、その反対に社会が技術を決定するのでもなく、「技術と社会は相互に構成的なものである」とする、社会構成主義の議論が特に重要であると感じた。 2024/02/11

iwtn_

7
技術がどのように考えられてきたのか、主に西洋哲学での語られ方を古代から現代まで解説している。また、補論では近代日本のそれを主に取り扱っている。技術が社会の発展を駆動させていたという技術決定論ではなく、社会や文化と相互作用する開かれた存在であるという、社会構成論的な議論が展開される。昨今、計算機系の技術の発展や経済への影響が声高に叫ばれ、経済と技術が結託し、社会や政治を置いてきぼりにしている感じがある。福島原発事故の問題からも、技術をどのように社会で取り扱っていくのかの教訓を得たほうが良さそうだ。2023/10/11

袖崎いたる

5
技術の話。原理的なね。補論の西田幾多郎-三木清のあたりおもろい。三木清は良いな。俺と合ってる。ラトゥールのANTはアリの理論だったっけと読んでて思い出しつつ、ベーコンが経験主義のアリでもなく、合理主義のクモでもなく、ハチだ!って言ってたのを読んでクスってなった。技術が社会に、政治に、道徳にと繋がってく指摘は好きな感じぞ。2024/03/05

ゆうちゃん

3
技術者として身を立つるうえで重要性なテーマで構成。古今東西の哲学者の思想を介し技術だけを多面的観点から光を当て、現代を導く技術のあり方を浮かび上がらせる。企業の品質問題が問われている昨今、技術者としての倫理、道徳を十全にわきまえた正しい活動を行いたいと考える。2024/02/25

zunzun

3
技術ってなんだろう?それを哲学するとは? 技術の哲学という分野というか話題がある。広範にはインターネット、狭く見るとSNS、特にTwitterを論ずる文が多い。我々の人生がネットにとらわれ、そして常に衆人環視のもとに晒され、日々、それ等に触れていなければ不安でしょうがなくなっている云々。そして大体においてハイデガーが援用され「技術決定論」へと導かれる。こんな感じの本が多かったが、私は常にハイデガーばかりが使われることが不可解であった。他に誰かいないのか?そして具体例は? だが、この本にはそれが書いてある2023/09/16

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