ポスト新自由主義と「国家」の再生:左派が主権を取り戻すとき

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ポスト新自由主義と「国家」の再生:左派が主権を取り戻すとき

  • ISBN:9784560093436

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内容説明

Make the Left Great Again!

左派の退潮が言われて久しい。
世界中が新自由主義に覆われ、格差や貧困がクローズアップされたにもかかわらず、左派への支持は広がらなかった。いや、むしろ左派への風当たりはより強くなったと言えるかもしれない。一方、右派や極右はますます支持基盤を拡大しているように見える。
左派退潮の分岐点はどこにあったのか? 左派を再興することは果たして可能なのか?
「左派を再び偉大に」することを狙う本書は、この問いに正面から答える。
1970年代、先進資本主義国では資本の収益性が劇的に低下していた。危機感を抱いた支配層は、福祉国家下の「階級的妥協」を棚上げして露骨な階級闘争を仕掛ける。
新自由主義的な再構築で起こったことは、決して国家の「衰退」や「空洞化」ではなく、〈脱民主化〉による国家主権の権威主義化だったのだ。
「国家の死」を寿いだ左派はここを大きく見誤ってしまった。そして、40年にわたり支配層から仕掛けられた階級闘争によって周縁化され、収奪された人々は極右運動に引き寄せられていった……。ポスト新自由主義世界を見通す左派再興の処方箋。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

34

7
新自由主義について多大な関心がよせられているにもかかわらず、日本語で参照できるまともな基礎的文献は(海外の研究水準を考えると)ほとんどなかった。本書はまず、新自由主義の歴史がいかに政治的で、国家の介入によって成立した過程であったかを示す点において優れている。さらに左派にとって、新自由主義的グローバリズムと後期ファシズムに対抗するための、一貫したヴィジョンを呈示することに成功している。ところでMMTからすると、今日の中国やロシア経済の姿(財政的に自由で、資本規制を課している)はどのようにみえるのだろうか。2024/09/21

がんちゃん

1
70年代以降それまでのケインズ主義的政策が新自由主義に浸食され現在に至った過程が興味深かった。じつは新自由主義は右派というより左派によって推進された事実もあったんだな。その結果、起こったことは左派の衰退でもあったんだ。もちろん、今さら右派も左派もないという意見もあるだろうけど、新自由主義の結果もたらされている貧困格差社会の中、国家のアイデンティティを強調することで台頭している右派に対抗するためにも、左派側からの新しい動きも求められるってことでもある。その方策としての現代貨幣理論(MMT)ってことなんだな。2024/01/16

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