内容説明
現代社会の必須知識「統一教会問題」。日韓関係、宗教史、宗教と政治、人権問題と不法行為等、各分野の第一人者が解きほぐす決定版。
安倍元首相殺害事件に端を発し、旧統一教会の人権侵害と不法行為が露わになり、それを支えてきた政治家たちとの関係が問われるようになった。
多くの事実関係が明らかになっているが、このような事態が生じるに至った歴史的経過については必ずしも十分に示されてきたとは言えない。
とりわけ宗教史的な文脈のなかで統一教会の特徴、また統一教会をめぐる宗教と政治の歪な関係について問うことは十分になされていない。
いかにしてこれだけの人権侵害と悪しき「政治と宗教」の関係が生じるに至ったのか。
本書では、日々報道がなされている「旧統一教会」問題を現代社会の必須知識ととらえ、これまでの経緯とともに体系的に捉え、各分野の第一人者が歴史的・国際的文脈から多角的に論じる。
目次
序章 解きほぐすべき統一教会問題(島薗進)
第1章 統一教会の源流を探るーー植民地朝鮮のキリスト教と統一教会(佐々充昭)
第2章 近代日韓のこじれた歴史と統一教会問題(川瀬貴也)
第3章 近代日本の新宗教弾圧と統一教会問題ーー≪反世俗性≫のゆくえ(永岡崇)
第4章 韓国の統一教会と日本人信徒(中西尋子)
第5章 統一教会の対外政界工作と日本における被害(島薗進)
第6章 統一教会における家族・結婚・性ーー金光教の立場から考える(藤本拓也)
第7章 統一教会の被害と法的救済(山口広)
第8章 宗教2世問題と統一教会(正木伸城)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lalala
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宗教学者・弁護士が各章を執筆担当し、学術的な内容、章毎の内容が明確化されていた。統一教会=キリスト教系の反共主義、世界平和のために統一された家庭を築くべき←エバ(イブ)はアダムと子供を産む前にサタン(蛇)と不倫、人間は悪魔の血を引く、救世主: 文鮮明による祝福、聖典は原理講論。韓国はキリスト教徒が比較的多い、日本布教時より保守派政治家との癒着(岸・福田・笹川)、日本=エバ国家(日韓歴史も背景)、近代日本の宗教弾圧(天理教・大本)が宗教規制緩和に、韓国農村男性の結婚難、金光教との比較、宗教2世問題。2025/03/30
インセム(인생뭐있어!)田村一朗(仮名)
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安部元首相銃撃事件(2022.7.8)をきっかけに広く知られることになった世界平和統一家庭連合(旧統一教会) 報道や当事者証言では見えにくかった、この教団の全体像が見えてくる構成でした。 特に、韓国語による資料をもとにした考察もなされており、日本の統一教会研究・検証において一つの転換点になると思います。 関心のある方、そして当事者(特に2世)にとっても、まさに「これだけは知っておきたい」内容だと思います。2023/09/02
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