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内容説明
「人間は国家を形成する動物である」。この有名な定義で知られるアリストテレスの主著の一つで、後世に大きな影響を与えた政治哲学の最重要古典。王制と独裁制(単独者支配)、貴族制と寡頭制(少数者支配)、共和制と民主制(多数者支配)。六つの国制を基盤に現実的な最善の国制を探究する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
49
面白すぎる。プラトンの国家論に対する批判書とも取れる本書。ただただ、アリストテレスの先見性に舌を巻くばかりです。『人間は本性的に国家を形成する動物である。』P32これは1番しっくりくる訳です。前文でアリストテレスは完成状態こそが自然本性というべきで、人間にとってはそれは国家を形成している状態だと言っていますので。『「自然は何も無駄には作らない」』P33この考え方はルソーの『エミール』的な自然主義の萌芽でしょう。また、この考え方はカントの『自然の意図』にも継承されていることは明らかです。であるならば、2023/09/16
かわうそ
42
『したがって、同様に、徳を根拠にして公職を要求することも正しいと私たちは主張する。とういうのも、正義は共同体のためになる徳であり、他のすべての徳は正義に必然的に付随するというのが私たちの主張だからである。』P338 正義が欠けているために、ほかの徳が悪に転じることがしばしばあります。正義は必要不可欠なものであり、ほかの徳は正義の元にあって初めて機能するというものです。『二コマコス倫理学』では善く生きることが主題でしたが『政治学』でも人は善く生きるために国家という共同体を作るのだという議論が土台になってます2023/11/12
みのくま
7
アリストテレスは国家共同体を「善い生」を実践する為の共同体だと定義する。家族や村、もしくは軍事同盟といっただけでは国家とは呼べないのである。そしてアリストテレスは国家を王制-独裁制、貴族制-寡頭制、共和制-民主制の6種類に分類し、原初の小さい国家では王制が敷かれる。国家が発展すると共に貴族制や共和制、もくしはこれらが混合されていく。アリストテレスはある程度の規模の国家は殆どが民主制的な要素がなければ統治できないと指摘しており興味深い。アリストテレスは当時覇権を握っていたマケドニアをどの様に評価していたのか2024/07/30
Kooheysan
6
『ニコマコス倫理学』に続けて読了。「国制は国家にとっての生き方(p.463)」なのだから、どういう国制が善=幸福に生きることにつながるのかを考えていくことが大切。で、現実的には6種類の国制の中から必要に応じて「中庸」を探っていくべきだ、ということかと思います。アリストテレス教授による政治学の講義再録って感じの訳ですが、読みにくくないです。時代背景や前提は今とは全然違いますが、現代においても変わらない考えるべき点を提供してくれます。2024/06/15
バーニング
5
哲人王による統治を構想したプラトンを批判しながら現実的に最適な(争いが少なく、平等の度合いが高い)国制をアリストテレスが構想するところでフィニッシュする上巻。裕福な公職者の統治である寡頭制(貴族制)と貧しい市民による自己統治である民主制の中間的なところで共和制を作ればいいんじゃね?? というアイデアは今聞いても面白いですね。現代的に現実的かどうかはさておき(アリストテレスは普通選挙を想定していないし)市民の自由や平等について議論するアイデアは非常に面白かった。2023/11/09
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