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内容説明
国制の変動の原因と対策。民主制と寡頭制の課題と解決。国家を成立させる最も基礎的な人口と国土。そして、政治の最大の仕事である優れた市民の育成。幸福と平等と正義の実現を目指す、最善の国制の探究を通じて投げかけられた問いこそ、現代のわたし達が答えるべき課題にほかならない。経済学も含め、法哲学、国家論、そして現代の正義論へと通じる社会思想全般の領域で、アリストテレスの思想は今日ますます重要性を増している。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中玉ケビン砂糖
52
自分の中でようやく整理相成る。平易な文体はもちろんだが、「議論されたことになっているはずの箇所」「いずれ議論されるはずだった箇所」が注釈で明示されており、助かっている。2023/08/13
かわうそ
42
『そもそも所有財産や身体が人間にとって意味のある、のぞましいものであるのは、それらが本来的に魂のために存在するからにほかならない。それゆえ、よく思慮する人なら誰でも、魂のためにそれらを望むべきなのであって、それらのために魂を望むべきではない。』218.219 あくまでも富は補助的条件なのです。決して、富があれば幸福であるということではないということ、つまりは富は手段であって目的ではないということです。手段が目的として捉えられるとたちまち際限のないものに変化してしまい本来の目的が見えなくなってしまうのです。2023/09/24
かわうそ
35
教育は公共的に行われるべきである。なぜなら、人生の目的は最善に生きることに尽きるからです。そしで教育においては自分に適したこと、能力的にな可能なこと、中庸であることに注意すべきであるとアリストテレスは言います。今の時代、やっと自分に適したことが追求できるような教育が可能になってきましたが、まだまだその目標が完全に達成される日は遠いですね。まさに過度な偏差値教育は悪でしかなく、テストができても自分の頭で考えられない人間が大量発生してしまう原因を作っていると思います。2023/11/30
みのくま
6
アリストテレスは「区別」の哲学者である。民主制や寡頭制にはそれぞれの理想があり、富裕者や貧困者、女性や奴隷にもそれぞれの幸福がある。彼はプラトンのように普遍を求めず異なるものを異なるものとして区別する。だから彼は私有財産も私的空間も認める事ができる。しかし他方で、現代人から見ると残酷な程に社会階層を明確に区切る。アリストテレスにとって社会階層は乗り越えるべき障壁ではなく自然にあるものなのだ。ただ興味深いのは中間層が国制を安定させると主張している事である。中庸や混合といった境界領域の重要性を指摘しているのだ2024/08/08
Kooheysan
5
この古典に手を出したのは、アーレントの『人間の条件(活動的生)』を読む前に読んでた方がいいと目にしたことがきっかけでした。つぶさに過去の事例を紐解き、現実的な「善い」国制を研究し、そして現実的なものにとらわれない「善い」理想的な国制の意見を述べていく講義。現代にも通じる視点がたくさん提供されて面白かったです。『ニコマコス倫理学』を先に読んでいたおかげでスムーズに読み進めることができたことも付記しておきます。2024/06/27
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