第一巻 洋楽の衝撃

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第一巻 洋楽の衝撃

  • 著者名:細川周平
  • 価格 ¥14,300(本体¥13,000)
  • 岩波書店(2023/08発売)
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  • ISBN:9784000272261

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内容説明

ペリー来航から終戦までの百年間,教育,産業,テクノロジーなどの分野を含めて,「音楽」をめぐるあらゆる営みが,劇的な変容を遂げていった.第一巻では,軍楽隊の導入とその民間への広がりによって誕生した市中音楽隊,ジンタ,チンドン屋などの様相を描き,併せて学校唱歌から軍歌,壮士演歌までの展開を叙述する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

はじめに この通史が生まれるまで
凡例
序章 トントントンで始まる歴史
トントントトトン
第一節 点から線へ
第二節 「音楽」概念の近代性
第三節 普遍性という贈り物
おわりに
第一部 軍楽隊の市民化 練兵場から公園へ
第一章 軍楽隊
はじめに
第一節 鼓隊,鼓笛隊
第二節 吹奏楽の誕生
おわりに
第二章 鹿鳴館
はじめに 二つの評価
第一節 欧風を学ぶ
第二節 舞踏会と音楽会
おわりに 「文明直訳」の洋楽受容
第三章 日比谷公園奏楽
はじめに
第一節 日曜日の公園 近代性の結晶
第二節 中間層聴衆の形成
第三節 洋楽の通俗化
第四節 大正・昭和期の経過
おわりに
第二部 民間楽隊の系譜 ブラスバンドの土着化
第一章 市中音楽隊
はじめに
第一節 退役軍楽隊員,町に出る
第二節 広告業界への進出
おわりに 結婚式・葬儀バンドの不在
第二章 少年音楽隊
はじめに
第一節 放課後の合奏
第二節 百貨店のブラスバンド
おわりに
第三章 ジンタ
はじめに ジンタが街にやってくる
第一節 粗野な音楽
第二節 哀愁の音楽
おわりに
第四章 チンドン屋
はじめに 兼常清佐の夢
第一節 街頭宣伝楽
第二節 チンドン世界
第三節 チンドン屋を描く
おわりに
第三部 学校唱歌の通俗化 教室から大道へ
第一章 唱歌
はじめに
第一節 歌う教室
第二節 別の授業設計
第三節 教科の実施と教材の展開
第四節 身体と声
おわりに
第二章 軍歌
はじめに
第一節 日清戦争以前 永井建子の革新性
第二節 日清戦争と軍歌語法の確立
第三節 歌詞の定型化
第四節 短調への行進
おわりに
第三章 「鉄道唱歌」
はじめに
第一節 地理唱歌の流行
第二節 波及効果
おわりに
第四章 寮歌
はじめに 寮歌祭と民謡祭
第一節 歌う高校生
第二節 豊作の一〇年
第三節 放歌高吟
おわりに 寮歌の終焉と郷愁
第五章 演歌
はじめに 添田史観対西沢史観
第一節 第一期 誕生から日露戦争まで
第二節 第二期 日露戦争から第一次大戦まで
第三節 第三期 第一次大戦から関東大震災まで
第四節 第四期 関東大震災から十五年戦争勃発まで
おわりに

第一巻 参考文献
第一巻 図・表一覧
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小鈴

21
「音楽」を相対化していく快感。「序章トントントンで始まる歴史」しか読んでないのが、この序章は素晴らしいので一読してほしい。黒船の到来によって否が応でも「普遍性」のシステムに組み込まれ特殊化されていく。これを近代化という。普遍性のワナにはまっていく。「音楽」という言葉は近世までほとんど使われることなく、使うときは中国の雅楽という意味だった。日本には神楽、雅楽やわら唄などはあってもそれらを包括する「音楽」という概念はなかった。洋楽との出会いは、異なる文化の音楽と出会いとは質の異なる出会いであり、社会を変えた。2021/01/15

小鈴

20
メモ。第一部軍楽隊の市民化ー練兵場から公園へ。第1章軍楽隊。ペリーの到着はブラスバンドの到着。兵を統率するためのブラスバンド。 日本も西欧の軍事システムの部品として軍楽隊を導入。第2章鹿鳴館。西洋化のための舞踏会と音楽会。舞踏会の一部は体育(社交ダンス、遊戯)に。舞踏会のための音楽が軍の行進曲とは異なる目的で器楽を広める。主に上流階級に。第3章日比谷公園奏楽。日本初の西欧的公園の成立。日比谷音楽堂は、軍楽隊 のブラスバンドの発表の場。開かれた公園なので中流層に「洋楽」が広がる。外なので会場外でも聞こえる。2021/01/24

小鈴

17
メモ。第二部民間楽隊の系譜ーブラスバンドの土着化。第1章市中音楽隊。ブラスバンドの二つの顔。軍事的な顔と庶民の顔。国家儀式の一部はブラスバンドによって執行。19世紀以来、国家国旗や太陽暦と同じくらい、普及した国際習慣。軍にはブラスバンド有り。そして、退役軍楽隊が町にでて楽団を結成、庶民に普及。第2章少年音楽隊。第3章ジンタ、サーカス小屋で「美しき天然」、ヨナ抜き短音階とワルツが普及。田中穂積作曲。軍楽隊とは異なる。少年音楽隊、ジンタは消滅。第4章チンドン屋。街頭宣伝の環境音と一体化した音へ。土着化。2021/02/03

しゅん

6
やっと一冊読了。ペリーの来航自体に音楽的衝撃があった話。軍楽隊としてのブラスバンドがまず西洋音楽として先行する。唱歌研究が面白い。チンドンは知っていたけどジンタはほとんど知らなかったな。2021/08/04

ヨッシー

0
耳からならば誰もが直接触れらるものだけど、絵画と異なり音楽の一般への伝搬・普及って、官・公(上)からになるのは必然かも。黒船以前にもオランダ辺りから西洋音楽に触れてはいても有力大名や大商人クラスまでだったであろうし、実演はその場で消え、楽器・譜面も異なり、音やリズムを共通法則での記録ができない。「音楽」という言葉・概念もなく、中国が使っている「音楽」は日本からの逆輸入のはずで、日本(東洋)に西洋音楽が根ずつ過程は社会・文化背景にも行きつく興味深いもの。2022/03/30

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