思想課題としてのアジア - 基軸・連鎖・投企

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思想課題としてのアジア - 基軸・連鎖・投企

  • 著者名:山室信一
  • 価格 ¥9,680(本体¥8,800)
  • 岩波書店(2023/08発売)
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  • ISBN:9784000233491

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内容説明

近代世界の同時形成の中で,東アジアもまた近代への道を歩み始めた.国民国家日本は,そのなかでどのような役割を果たしたのか.また,近代日本にとってアジアとはなんだったのか.思想の連鎖,人の移動,戦争と植民地化の複雑にからまりあった歴史を掘り起こし,近代アジアが形成されて行く過程をヴィヴィッドに分析する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

はしがき
凡例
目次
序章 アジアへの思想史的問いかけとその視角
第一節 アジアの問題性――与えられるアジアと創られるアジア
第二節 思想基軸という視角
第三節 思想連鎖という視角
第四節 投企という視角
第五節 「知のトポロジー」に向けて
第一部 アジア認識の基軸
第一章 境域を画する言説
第二章 思想基軸としての文明
第三章 思想基軸としての人種
第四章 思想基軸としての文化
第五章 思想基軸としての民族
第六章 自己拡張としてのアジア
第二部 アジアにおける思想連鎖
第一章 国民国家形成と思想連鎖
第二章 西学と東アジア世界
第一節 日本における西学と洋学
第二節 中国における西学
第三節 朝鮮における西学
第三章 西学による思想連鎖
第一節 万国図と思想連鎖
第二節 万国史と思想連鎖
第三節 万国法と思想連鎖
第四章 清末中国における西学・中学・東学
第一節 西学受容の論理構成と中学の位相
第二節 中学の革新と西学の組み込み
第三節 変法維新運動と東学
第五章 国民国家形成と模範国の転遷
第一節 国民国家日本の位相――反模範から模範へ
第二節 模範国のヤヌス――文明国と強国
第三節 立憲制をめぐる再転
第六章 知の回廊
第一節 思想連鎖の回路としての留学
第二節 思想連鎖の回路としての結社・翻訳
第三節 思想連鎖の回路としての教習
第七章 国民国家形成と思想連鎖のゆくえ
第一節 国民国家形成における平準化・類同化・固有化
第二節 欧粋・亜粋・国粋――アジアをめぐる知の響応
第三節 日本漢語の流布と政治文化の変容
第八章 思想連鎖と国際政治の衝撃
第三部 投企としてのアジア主義
第一章 隠された政策原理
第二章 外交論策としてのアジア主義言説
第三章 二つの国家体系とアジア間外交
第四章 アジア主義外交論のディレンマ
第五章 開かれた地域主義へ
終章 空間アジアの存在理由をめぐって
第一節 「地理上の名義」そして鏡としてのアジア
第二節 国家原理をめぐる葛藤とアジア社会
第三節 思想・文化を産み出す空間

あとがき
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ららぴっと

1
「アジア」は、ヨーロッパから与えられた規定である。そのような「アジア」をどうとらえるのか。その中で日本は、いかなる意味を持って存在してきたのか。こららの視点をふまえて、日本とアジア・世界のつながりを明らかにするのが目的。興奮するおもしろさがあった。でも、一人で読むのはしんどいね。また、ほんとうに正しく著者の意味を汲み取っているのかも不安。読みこなすには、基本的な歴史分野の素養が必要だと思われる。2013/03/24

rubeluso

0
内容は非常に多岐にわたり情報量も莫大。ようやく読み終わった……。本文中から引用すると「アジア主義を単なるナショナリズムの拡張としてでなく、地域世界の価値の共存体系として(中略)いかに欧米をはじめとする他の地位の人々に提起しうるのか。(中略)その問いとしてのプロジェクトに20世紀の日本人は答えることができなかった」ということを丹念に丹念に史料を駆使しつつ辿った本と言えるはず。現代においても「アジア」という言葉はよく使われる。そういう言説をする人すべてに読んで欲しいがなにぶん物理的にも内容的にも重い2013/09/11

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