内容説明
派遣切りにあい求職中の七穂は、親戚の隆司が鬱で休職したと聞く。エリート街道まっしぐらのイケメンだった隆司だが、今や祖父の残した古民家に閉じこもり、盆栽いじりと居ついた猫の相手をするほかは、万年床で寝るばかりのとぼけた青年になり果てていた。抜群の家事能力を生かし隆司のお食事&見守り当番として奮闘する七穂だが、やがて彼が休職した本当の理由を知り……。心もおなかも満たされる、おとなの夏休み物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツン
75
従兄妹なのか、、、と残念に思ったけど、大丈夫でした(笑)2023/08/22
ままこ
55
求職中の七穂が『我楽亭』に暮らす従兄弟の休職当番をすることに。いきなりあの場面はサスペンスかと思うよね。猫たちのあの不思議な様子は写真と動画に撮りたいな。七穂が作る美味しそうな作り置き。臨機応変にその家庭にあった料理をしてくれるのはいいな。うちにも作りに来て欲しい。2025/03/06
ぶんこ
53
派遣切りで求職中の七穂は、大手企業のエリートだった従兄弟隆司が鬱で休職中と知り、通いで家事手助けをする。共働きの両親を助けて家事全般を担ってきたが、気付けば苦労と思わず楽しんでいた。隆司のアドバイスもあって家事代行サービスを立ち上げて働き出す。読んでいて料理のひらめきや多様性に感嘆する。我が家にも来て欲しい。時々猫たちが現れるのも息抜きとなって癒されました。埼玉の古くて大きい家。祖父の拘りが詰まった家と思うと、そこに隆司と七穂、そしてニャンズ。絵になりますね。2024/02/14
真理そら
43
『対岸の家事(朱野帰子)』を読んだ記憶が鮮明な状態で読み始めたので、家事に対する一般的な思い込みや、専業主婦に様々なことがのしかかる状態をうなずきながら読んだ。古いお屋敷に住む引きこもりのイケメン、わらわら登場する猫たち、そして材料を工夫しながら手早く作るおいしそうな料理という竹岡作品独特の安心感。なぜ隆司は休職中で引きこもっているのか、求職中の七穂の今後の生き方はどうなるのかという点に謎を残さず終了。2024/09/19
はつばあば
41
子供の頃の従兄っていうのは初異性だものねぇ女の子の方がホワンとモエルのに男の子って反対路線を進んで意地悪でアピールする。そんな二人が再会するのは言葉遊びのような求職者と休職者の状態で。鬱の従兄を見守りつつ家事援助みたいな事をしながら町内会の催しにも参加できるまでになる のだけど、従兄が復帰するならと家事援助を仕事として働きだすが・・親としちゃ正職に就いて欲しいだろうが子供なんて親の思い通りにはねぇ^^;。従兄といっても血の繋がりが無かったので結婚って事もOKだしねぇ(まだしてないし親にも言ってないが)2025/06/11