中井久夫 人と仕事

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中井久夫 人と仕事

  • 著者名:最相葉月【著】
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • みすず書房(2023/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 780pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784622096030

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内容説明

1960年代の精神科医誕生からその死までを軸に、われわれの世界に数々の業績と言葉を遺した中井久夫の全体を描く初めての本。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

113
没後一年。統合失調症、PTSD、犯罪・災害被害者支援など、現代社会が必要とする精神医学を牽引してきた中井久夫先生の業績が辿られている。自らがいじめられっ子であり、また、東大伝研を破門されて精神科に転向せざるを得なかった若き日の挫折が、先生の「心のうぶ毛」「柔らかに治す」「排除からケアへ」などの温かい言葉に繋がっている。精神科医と文学者の二つを見事に全うした中井先生の生涯を、最相さんは、神谷美恵子さんに重ねて、Sacrificium intellectus(知性を犠牲として神に捧げること)と呼ぶ。2023/09/21

どんぐり

82
みすず書房の『中井久夫集』全11巻の解説に1章分を加えて編集した精神科医・中井久夫の仕事をたどる小伝。私人としての部分はあまり描かれていない。たとえば、成育歴や、妻子が登場しない。幼少期にいじめにあったとはあるが、詳しくはわからない。ウイルス研究から転じて精神科医になり、阪神淡路大震災後のPTSD、トラウマ、兵庫県立こころのケアセンター初代センター長就任、日常診療などから発した多くの著作をいくつも著した。その足跡をたどるだけで、ノンフィクションの醍醐味がないのが残念。2022年8月8日逝去、享年88歳。2024/03/05

ネギっ子gen

61
【患者とは、患者も含めて不幸な人とは、考え、考え、考え、考えている者】精神科医としての誕生から死まで、その生涯と仕事を追った書。詳細な年表付き。カバーは、先生が神戸大学病院の新しい精神科病棟「清明寮」の設計に参与した時に描いたスケッチの1枚。先生の人柄を彷彿させる、優しい色使い。如何にも“みすずの本”という装幀で、こういう味わいを楽しめるのが、紙本の強みかな。82歳になって「驕りがあるから」と、カトリック教会で受洗。「なぜカトリック?」という問いには、「宗教のほうがぼくに声をかけてほしかったのかも」と。⇒2024/02/29

ぐうぐう

42
精神科医の中井久夫が文学者としての顔も持つことは、中井の功績を振り返るとき、とても重要な意味を持つ。「医学では通常、ある時点でくわしく検査して、その結果にもとづいて治療を決める横断的な方法がとられる。だが、中井は、縦に流れを見る通時的な観察に重きを置いた」と最相葉月が書くように、そのような視点を可能にしたのは、中井の想像力によるものだろう。考えると哲学者になり、想像すると文学者になるのだが、中井は考えつつ想像することで、患者に寄り添うことができたのだ。(つづく)2023/12/13

くさてる

25
「セラピスト」を読んでいたので、同じような方法論で書かれた中井久夫の伝記かなと思い込んでいた。なので、中井久夫という人物について前知識がない人が読んでもちょっと首をかしげるのではという内容に、戸惑ってしまったのだけど、元の文章は全集の解説文だったと知って納得しました。全集を読むような人にとっては、中井久夫の業績と人となり、人生が知れる良い本だと思います。2023/12/03

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