文春e-book<br> 八月の御所グラウンド

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文春e-book
八月の御所グラウンド

  • 著者名:万城目学【著】
  • 価格 ¥1,700(本体¥1,546)
  • 文藝春秋(2023/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784163917320

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内容説明

京都が生んだ、やさしい奇跡。

ホルモー・シリーズ以来16年ぶり
京都×青春感動作

女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。
謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。

京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは――。

今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない
人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇。

 大学時代を京都で過ごした万城目学さんが『鴨川ホルモー』でデビューしたのは2006年。その後も『鹿男あをによし』『プリンセス・トヨトミ』など、独自の世界観と鮮烈な感性で私たちを驚かせ続けてきましたが、意外にも京都を舞台にしたのは『ホルモー六景』(2007年)が最後でした。

 その万城目さんが16年ぶりに京都に帰って来ます。収められた2篇はそれぞれ、女子高校生と男子大学生を主人公としたド直球の青春小説。まさに「ホルモー」シリーズの万城目学、再来!とも言えますが、「ホルモー」が途轍もない勢いを感じさせる作品だとしたら、本書は瑞々しい感性はそのままに、しかしどこか成熟の匂いがします。

 京都で起こる奇跡のようなフシギな出来事が、私たちの心の中にじんわりと優しく、同時になんとも切ない感情を呼び起こすのです。青春とは、人生とは、こうしたものかもしれない、そういう名状しがたい感動が心に拡がります。もしかすると、これまでのどの万城目作品にもなかった読後感かもしれません。

 鮮烈なデビューから17年。いまふたたび、万城目学に「再」入門してみてはいかがでしょうか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

755
「十二月の都大路上下ル」を枕に表題作がこれに続く。単にページ数を整えるためのようにも見えるが、しいて関連付けるなら、見えないはずの過去の情景がそこに立ち現れた物語ということになるだろうか。「八月の御所グラウンド」では、亡き霊が生身の姿で登場するので、より発展型とも言える。どちらも万城目学らしい作品で、京都の風物を背景に(あるいはそれに頼り切って)物語が展開する。農学部グラウンドでの出征学徒壮行会を描き「生きたかっただろうな」の言葉で彼らの無念に想いを馳せ、五山の送り火で追悼したところが物語の核心だろうか。2024/04/03

しんごろ

617
『十二月の都大路を上下ル(カケル)』サカトゥー、確かに絶望的な方向音痴だ(笑)。サカトゥーと咲桜莉は、良きライバルであり良き親友であってほしいな。荒垣さんとも昨日の敵は今日の友みたいな関係にあってほしい。それにしても、あの集団は走りに来たのか討ち入りに来たのか。時空を超えてやって来るとはね(笑)。 『8月の御所グラウンド』朝野球、昔、やったなあ。メンバー揃わないのか(笑)。ここでも時空を超えてとんでもない助っ人がやって来た(笑)。どこかユーモアであり、切なさや優しさあり。万城目学の傑作間違いなしの二篇。2023/09/30

名古屋ケムンパス

610
万城目流京都奇譚です。真夏の早朝の京の街で謎の草野球大会「たまひで杯」が密かに継続開催されています。「たまひで」とは祇園の元芸妓の名前です。就職のための卒業との交換条件で、担当教授にこの野球大会での優勝を求められた五回生の多聞は、野球好きの不思議なメンバーたちとチームを組むことになります。メンバーの素性が明らかになるにつれ、五山の送り火が深く胸に沁みることになる、儚くも限りなくいとおしい、京の真夏の夢物語です。2023/10/28

tetsubun1000mg

553
高校女子駅伝、真夏の京都の早朝野球が題材の中編が2作の構成。 女子駅伝のストーリーは万城目さんのいつもの感じとは違ったいた。 1年生の補欠が急にアンカーを走ることになってスタートポイントに着いたら、目が合った選手を意識して「負けない!」という気持ちになりスタートする。 いつもの万城目節とは違うなと思っていたら、ちょんまげで誠の幟を背負った集団を見つけるという、結局はいつもの万城目ワールド。 2作目は大学教授の依頼で参加した真夏の早朝野球に伝説の選手が参加するのだが、個人的好みは高校駅伝の作品だったなあ。 2024/01/05

bunmei

539
歴史をモチーフにしながらも、SF的な壮大なドラマが展開される作品が多い万城目作品。しかし本作は、夏と冬の京都を舞台に、全国高校女子駅伝大会と草野球のスポーツをモチーフにした青春群像作品。2作とも読み始めは、青春あるあるの1ページを切り取った展開だったが、途中からは、時空を超えた不可思議な出来事によって、心温まる面白さが加わり、万城目作品らしさを醸し出していた。森見作品にもみられるが、京都は、こうした不可思議な出来事に繋がる雰囲気を、受け入れてしまう土地柄かもしれない。そんな古都を舞台にした中編の2作品。2023/09/22

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