日本で軍事を語るということ 軍事分析入門

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日本で軍事を語るということ 軍事分析入門

  • 著者名:高橋杉雄【著】
  • 価格 ¥1,925(本体¥1,750)
  • 中央公論新社(2023/07発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784120056796

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内容説明

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻により、「大国間大戦争」の時代が到来したことを、世界中が強く認識せざるを得なくなった。
グローバルなパワーバランスは変化し、米国の軍事力ももはや絶対的なものではなくなっている。北朝鮮が核・ミサイル開発を進め、中国が急速に軍事力の近代化を行うなか、日本も、安全保障や軍事について、より当事者意識を持たなければならなくなった。
軍事力の最も優れた使い方は、戦争を起こさないこと、つまり抑止力として機能させることである。抑止力を強化した上で、安全保障上の対立が戦争にエスカレートしないよう、危機管理に取り組んでいかなければならない。
そのためには、一部の官僚や専門家だけでなく、国民全体がある程度の軍事に関する知識を持つことが必要となる。防衛費の大幅な増額が決まったが、戦争を抑止するために自衛隊は適切に整備され、運用されているのか? それを検証し、必要があれば別の意見を提示する――納税者である国民が、自分たちでも創造的に政策の在り方を考えていかなければならないときに来ている。日本でも、軍事を考えることが必要になってきているのである。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばたやん@かみがた

93
《徹頭徹尾、軍事分析入門》(1)タイトルから「軍事・戦争に興味持つことはそれらを肯定することだ」とする日本の風潮への嘆き節的な本かな、と思いましたが安易な予想でした。軍事力を国家にとって不可欠なパワーであることを所与の前提として、その使い方についての理論的分析そしてそれを日本の現状への当てはめへと、首尾一貫して論が展開していく本です。(1/4) 2023/10/29

kan

24
これ以上ないほど丁寧に基礎的な軍事の考え方を解説。陸海空の戦闘や補給方法から宇宙やサイバー空間まで幅広い。専門家には当然のことも、初心者な私にはありがたい説明で、戦争の見え方が変わる。DIMEは複数の書籍で出てきたが、抑止力としての軍事力に関する指摘は、近隣諸国や同盟国との関係を考えると首肯せざるを得ない。外交や経済だけで解決できるものではない。個人的に、防衛や軍事に関する議論になんとなく忌避感があったが、一国民として正しい理解が必須だと痛感した。高橋杉雄さんは筑附出身だと初めて知ったが、とても納得。2024/03/03

22
近現代の戦争の概説し、陸海空、宇宙サイバー戦争のポイントを抑え、「日本で軍事を語るということ」はどういうことかを論じた本。「自分たちが戦争を忘れても、戦争は自分たちを忘れてはくれない」「戦争や軍事は邪悪であるから、考えないし、関わらないという態度ではもはや平和を続けられない時代になってしまった」「民主主義国家である以上、自衛隊が戦争を抑止するために適切に整備され、運用されているか、見守り、別の意見があれば提示すること、それが納税者としての国民の権利であり、責任であり、義務でもあるのである」2023/09/30

seki

13
長く軍事というものをタブー視してきた日本。ロシアウクライナ戦争や周辺国の軍事的脅威が高まる中、本書は軍事を冷静な目で学ぼうと呼びかける。全般的には、基本的なところから書かれ、クラウゼヴィッツの戦争論の超簡易版的な感じといったところ。もう国家間の戦争はないと思っていたところ、ロシアウクライナ戦争が勃発した。あらためて平和のための軍事というものを考えるのに最適な一冊。2023/12/10

owlsoul

12
軍事力とは必ずしも「戦争をするための能力」ではない。国際社会において軍事力のほとんどは破壊ではなく抑止のために存在している。経済、外交、そして軍事。これらの「道具」を駆使しながら、我々は利害渦巻くこのグローバル社会を生き抜かなければならない。平時の軍隊は官僚組織や一般企業と大差なく、予算や人事などによってその存在が左右される。実際、軍事力は使うよりも「つくる」期間のほうが長く、そして重要なのだ。本当に危険な軍隊とは、政治的目的を失い、自己存続のため経済と結びついたり、破壊そのものを目的としたりする存在だ2024/03/20

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