内容説明
「核のある世界」への警鐘の書
1962年10月のキューバ・ミサイル危機は、核戦争(最終戦争)が一触即発で起きかねない13日間だった。本書はその「一触」が、実はほんの偶然の積み重ねで回避されていたことを明らかにした大作だ。米国の国家安全保障会議、国防総省、統合参謀本部の会議録、関係者の個人メモ、回想録、解禁されたソ連共産党幹部会の議事録など、豊富な史料を網羅して、米ソ両政権の内部とカリブ海の現場で何が起きていたかを立体的に描き出し、手に汗握る日々が展開される。ケネディとフルシチョフの関係、その言動や心理、タカ派とハト派の攻防を丹念に積み上げるミクロ的記述と、広島・長崎への原爆投下から冷戦下の核軍拡競争に至る文脈に、この危機を位置付ける俯瞰的視点を交差させており、圧倒的な説得力がある。
ロシアによるウクライナ軍事進攻、台湾をめぐる中国と日米の緊張を踏まえると、この危機がどこか重なって見えてくる。「核の脅威」が懸念される今、60年前の危機が残した教訓を振り返る意義は大きい。ピュリツァー賞受賞の歴史家(米外交と核管理・軍縮論)が、危機の深層を描き切った決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
88
人類が核兵器を手にしてから17年後、世界が核戦争の悪夢に最も近づいた日々に至るまで。1962年10月の危機の日々の状況だけでなく、マンハッタン計画から広島・長崎への原爆投下、米国の核独占が僅か4年後ソ連に破られ、いっそう強力な熱核兵器・水爆へと向かい、ICBMの実戦配備により米ソ両国による恐怖の核の均衡に至るまでを描く。ローズベルトの死により後を継いだ自信のなかったトルーマン大統領がポツダムで実験成功の知らせを聞き、スターリンにさり気なく伝える。しかしスターリンは計画について諜報機関から知らされており⇒2022/12/31
オルレアンの聖たぬき
1
キューバ危機に至るまで軌跡。すべてほんとスレスレの決断、どのボタンがかけちがってても全面核戦争になっていたかも知れない局面ばかり。読み進めるに従ってケネディ政権の閣僚たちの思惑が揺れ動いていく様子が克明に記されていて戦争勃発前のリアルがよくわかる。2025/05/03
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