内容説明
恋を覚えたばかりの美青年・魚住真澄は、クリスマス間近、病院でさちのという少女に出会う。
重い病を抱え、耐えるように生きる彼女に、魚住は「おれのお母さんになって」と告げる。
困惑しつつも、次第に魚住と打ち解けていくさちの。
遊園地に行きたい彼女のため、魚住は久留米も誘って、煌めくような冬の一日を過ごすが……。
魚住が初めて知る、胸が苦しくなるような幸福の時間。そして……。
シリーズ最大の衝撃、第三巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
112
冷めた目で見ていたはずなのに気がつけばのめり込んでいた。2回開いただけの一気読みだった。計85分。2017/08/25
カロリーナ
68
☆4 シリーズ第3弾。感情が欠落気味ながらも、少しずつ人間らしさを取り戻していく魚住。どこか陰を背負うさちのという少女との出会いで、大きな局面を迎える。青春群像劇。まさに「生と死、喪失と再生」の巻でした。壮絶な人生にありながら、それでも魚住くんは周囲に恵まれていますね。マリやサリーム、濱田の存在がとても心強い。ほんと、生きるって痛いんだよね。さちののメッセージが後押しになって良かった。このまま幸せになってほしいなぁ。2015/03/03
naoっぴ
63
甘〜いおやつを楽しむように読んでいるこのシリーズ、なのにこのツラい展開はないでしょう。いきなりししとうの辛いやつに当たって食べちゃったみたいな衝撃。でも魚住もこのツラさを乗り越えたからこそ感情を呼び覚ますことができたわけだから、これは大きな成長だったのかと。魚住が健全な心を獲得したところでいよいよふたりに進展がありそうな雰囲気。想像逞しくしつつ次巻にいきたいと思います。2019/10/27
友和
63
シリーズ第3巻は切なかった。もし大切なひとが突然いなくなったらどうなるだろうと、考えさせられました。サリームの餃子、おいしそう。2015/01/18
papako
62
なんてこと!ここまで少しずつ明らかになってきている魚住くんの過去。ここに来て、やっと皆と生きられるような気配があったのに!さちのとの温かな交流から、一転して地獄へ。魚住くんの恐怖、わかる気がする。そして今回もマリに助けられた。だんだんと歯止めが効かなくなってきている二人がなんかとてもいいんです。勝手に魚住くんの片思いになるんだって思っていたから、久留米の葛藤が切ない。ほんとBLとかどうでもいいし。うん、ほんといいよ。皆んな!2018/08/19