内容説明
この世には、理解不能な神々が引き起こす超常現象がある。
善悪では測れず、だが確かに人々の安寧を脅かすそれは「領怪神犯」と呼ばれている。
この人智を超えた危険な現象を人知れず調査し、対処にあたる「領怪神犯特別調査課」は、役所内に秘かに存在していた。
その全貌を誰も知らない、謎めいた組織――。
同課の片岸と部下の宮木は、各地の現象を追う中で領怪神犯のある真実と、組織が隠し持つ、世界の秘密の一端に触れた。
+ + +
それより時は遡り、20年前。
霊感商法詐欺を働いていた青年、烏有定人（うゆう・さだひと）は警察に捕まるが、
連れて来られた先で始まったのは普通の取り調べではなかった。
そこにいたのは、元殺人課の刑事・切間（きるま）と、民俗学の准教授・凌子（りょうこ）。
烏有は「見える」力を持つために目を付けられ、警察の管轄内にある「領怪神犯対策本部」で
２人と共に、日本各地の村々で起こる異常な現象に立ち向かうことになるが……。
「対策本部」が「特別調査課」に至るまでに、一体何があったのか？
最終章の驚愕、再び。そして胸を刺す衝撃のラストが待ち受ける。
SNSなどでも話題沸騰！ホラーエンタメの大注目作、待望の続編登場！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
63
・・・最高だ。前作も良かったが今回は格別。各地に変事を起こす秘められた神々を調査した前作。その過去編。宮木の父親・切間(元刑事)と実際に視えちゃう烏有(元霊感詐欺師)のコンビ。領怪神犯対策本部からの指令で様々な理解不能な神事に直面するが。２０年前は調査ではなく、神々を捕え利用する方向で組織は動いていたのか。二人の上司にあたる凌子や後半登場する冷泉など、登場人物は狂気を孕んで魅力的。死亡フラグ立ちまくりの切間と烏有の関係性も素晴らしい。もちろん神々が巻き起こす怪事件も幻想的だ。 (続く)2023/08/11
sin
59
以前、Ｍ１チャンピオンに輝いたミルクボーイのネタが凄い武器と評価されたが、この作品の神と云う存在もこの物語にとって凄い武器であるのは間違いない！なんとなればこの物語の中に存在する一柱は物語の設定そのものを変えることが可能だからだ。さて、よく日本人には信仰がないと言うけれど信仰心はある－神は祀られている。古来から伝えられた神々の体系と、それ以外にも不可解なものや祟りを為すものまで神として崇められているではないか！？その神を国家が利用しようとするならば、神は国民に如何なる罰を与えるのであろうか？2023/08/10
羊山羊
23
特別調査課の過去を描く第2巻。今度の主人公は怪異が見える鳥有。1巻もまぁまぁ命が安かったけど、昭和感あふれる命の安さ＋組織の目的が「神の運営」ということもあって物語の雰囲気がかなーり陰惨。「呼び潮の神」の章の人の命を何とも思っていない具合がマジで好き。昔の村の因習の混ぜ具合は「ひぐらしのなく頃に」や「ＳＩＲＥＮ」的なレトロな不気味さを令和仕様にブラッシュアップしていて凄い。ちょっと話を盛りがちだけど、村ホラーの連作集としては凄く素敵でした。 2023/10/18
なみ
23
領怪神犯と呼ばれる超常現象を調査する特別調査課の人々を描いたシリーズ2作目。 前作から20年の時を遡り、切間と烏有の物語が綴られる。 今回も色々な領怪神犯が登場します。くわすの神が怖い！ 切間と烏有のコンビが素敵でした！ 最初は刑事と詐欺師だった2人が、物語が進むにつれて、信頼関係を構築していく仮定が楽しかったです。 今作を読むことで、面白かった前作がさらに面白くなったように感じられました。2023/08/23
冬野
17
シリーズ第二弾。前巻が良かっただけに過去編かあ、一巻と違うバディの話を楽しめるかな…と心配したがまったくの杞憂だった。特別調査課が対策本部だった頃の話で、チンピラ詐欺師の烏有と元刑事の切間が主なバディ。この切間廉二郎という男、元刑事でスーツで黒髪ですぐ足が出て銃をぶっ放しがちで訳アリで既婚子持ちと来ている。はい、好き。しかも終盤の展開がさあ…切間さん、そりゃ狡いよ。一巻を再読したくなったし、初読の際は片岸と六原ばかり注目してたけど今なら絶対宮木…てなる。くわすの神が可愛くて癒し。家に欲しい(？)星:5/52023/08/09
