内容説明
本書は,西洋美術鑑賞の懇切な手引きとして好評の『名画を見る眼』のカラー版である.モネに始まる近代の名画14点,そして同時に鑑賞したい絵画を多数収載.題材や技術だけでなく歴史的・思想的背景,くわえて画家の個性が感じられるエピソードを交えながら解説した.刊行より半世紀を超え,著者監修の決定版をお届けする.
目次
Ⅰ モネ「パラソルをさす女」──光への渇望
Ⅱ ルノワール「ピアノの前の少女たち」──色彩のハーモニー
Ⅲ セザンヌ「温室のなかのセザンヌ夫人」──造形のドラマ
Ⅳ ファン・ゴッホ「アルルの寝室」──不気味な内面世界
Ⅴ ゴーギャン「イア・オラナ・マリア」──異国的幻想
Ⅵ スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」──静謐な詩情
Ⅶ ロートレック「ムーラン・ルージュのポスター」──世紀末の哀愁
Ⅷ ルソー「眠るジプシー女」──素朴派の夢
Ⅸ ムンク「叫び」──不安と恐れ
Ⅹ マティス「大きな赤い室内」──単純化された色面
ピカソ「アヴィニョンの娘たち」──キュビスムの誕生
シャガール「私と村」──回想の芸術
カンディンスキー「印象・第四番」──抽象絵画への道
モンドリアン「ブロードウェイ・ブギウギ」──大都会の造形詩
あとがき
『カラー版 名画を見る眼Ⅱ』へのあとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
93
先月に続いて今月も、「名画を見る眼」のカラー版の続編が再刊行されました。ここでは印象派からモンドリアンまで14人の画家の作品が楽しめます。1971年に刊行されていますがこのような本は内容があまり変わらないので、いま読んでも絵画がカラー化されたこともあり古臭さは感じません。とくにモネとピカソは楽しめました。モネというとすぐ代表的な「睡蓮」が多いのですがここでは「パラソルをさす女」ということで私の好きな作品であることと藤原伊織の「テロリストのパラソル」をイメージすることもあり印象に残りました。2023/06/29
keroppi
80
モネからモンドリアンまで、14人の近代絵画の画家が取り上げられている。1巻目と画家たちのアプローチが大きく変わる。写実的なものから画家が何を表現するかになってきているようだ。それは、チューブ入りの絵の具や写真の発明にもよるが、絵画が王侯貴族のものから一般人のものになってきたこともあるかもしれない。一つ一つの絵に対して、1巻目の絵画との比較も交え丁寧に解説されている。実物を見た絵画もあり、より深く理解が出来たように思う。2023/08/06
夏
41
モネからモンドリアンまで、すなわち印象派からフォーヴィスム、キュビスムを経て抽象絵画にいたる近代絵画の巨匠14人の作品14点を対象として、それぞれの作品の成立の事情やその意味を明らかにしながら、同時に近代絵画の歴史を辿ろうと試みたのが本書である。少しでも美術に関心がある人なら、誰でも一度は名前を聞いたことがあるだろう巨匠の名がずらりと並んでいる。近現代芸術は芸術の進化がとても速く、印象派が流行ったと思ったら今度はポスト印象派、そしてフォーヴィスム、キュビスムと、どんどん新たな芸術が台頭していくのを感じた。2024/10/15
むらさき
26
面白かった。 特に最後のムンク⇒マティス⇒ピカソ⇒シャガール⇒カンディンスキー⇒モンドリアンの流れは勉強になった。 キュビスム辺りから楽しみ方がわからなくなるんですよね。。。 この本でなにを描こうとしたのかを知るととても納得した。 俳句に似た感じを受けてる。 制約のある状態でどれだけ自分の美意識(美的感覚?)を伝えられるかを突き詰めてる。 西洋ぽいなと思うのは、自己の精神性を対象にしようとしているように見えるところですね。 自分はここまでくると作者の背景を知らないと楽しめないかも。。。2024/03/24
テト
16
絵を観ることは好きで、印象派の絵画は特に感じるものはあるけれども、その後の時代はあまり意味が見いだしていけなかった。でも、この本の中では、ピカソのような造形的な絵であったり、モンドリアンのような図形的な絵であったり、そのような中にも連続的なリアルな歴史があることを示していた。平面で限られた材質の画材から、世界をどのように捉えていくのかの限界と挑戦であったことは、絵をもう一度観るときに、以前とは違う感覚を感じそうで、また絵を観に行きたくなった。2025/07/13
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