内容説明
名作はどのように生まれたのだろうか? 本書は,西洋絵画の本質について一歩進んで理解したいとする人びとの願いに応えて執筆された,西洋美術鑑賞の手引きである.一枚の絵に隠された芸術家の意図,精神性を探りながら歴史を一望する.Ⅰ巻では,油彩画の誕生からマネまで,一五人の画家と一五の名画を丁寧に解説する.
目次
Ⅰ ファン・アイク「アルノルフィニ夫妻の肖像」
――徹底した写実主義
Ⅱ ボッティチェルリ「春」
――神話的幻想の装飾美
Ⅲ レオナルド「聖アンナと聖母子」
――天上の微笑
Ⅳ ラファエルロ「小椅子の聖母」
――完璧な構成
Ⅴ デューラー「メレンコリア・Ⅰ」
――光と闇の世界
Ⅵ ベラスケス「宮廷の侍女たち」
――筆触の魔術
Ⅶ レンブラント「フローラ」
――明暗のなかの女神
Ⅷ プーサン「サビニの女たちの掠奪」
――ダイナミックな群像
Ⅸ フェルメール「絵画芸術」
――象徴的室内空間
Ⅹ ワトー「シテール島の巡礼」
――描かれた演劇世界
ⅩⅠ ゴヤ「裸体のマハ」
――夢と現実の官能美
ⅩⅡ ドラクロワ「アルジェの女たち」
――輝く色彩
ⅩⅢ ターナー「国会議事堂の火災」
――火と水と空気
ⅩⅣ クールベ「画家のアトリエ」
――社会のなかの芸術家
ⅩⅤ マネ「オランピア」
――近代への序曲
あとがき
『カラー版 名画を見る眼Ⅰ』へのあとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
111
40年振りに読んだ。学生の頃は内容が全く理解できず、著者の書籍はそれ以降避けていた。今歳を取って再読すると、深い洞察に感嘆する。15枚の超有名な西洋絵画をカラーで載せて解説しているが、流石に1969年初版のため、各章毎に最近わかった説や知見を追加しています。この中でロンドン・ナショナル・ギャラリーで見られるのは、ファン・アイクの有名な肖像画とレオナルド「聖アンナと聖母子と聖ヨハネ」、レンブラント「フローラ」、ベラスケス「横たわるヴィーナス」くらいで、後はほとんどルーブル、オルセー、プラド美術館所属でした。2023/12/17
KAZOO
103
この本はむかし岩波新書の青版で正・続ともに複数回読んだ覚えがあります。今回は文章はほとんど以前のままで、参考絵画などをカラーにして目の保養にさせてくれました。やはりカラーにしてくれるとイメージが膨らみます。とくにボッテチェルリの「春」、レンブラントの「フローラ」、フェルメールの「絵画芸術」などは現物を見たときの印象がよみがえります。2023/06/03
keroppi
83
1969年に刊行された本を、カラー化して出版された。ファン・アイクからマネまで、15人の画家とその代表作を取り上げ論じていく。文章は50年以上前のままらしいが、今読んでも、名画を読み解く文章は古びていない。図版がカラーになったことで、さらに理解が深まる。名画を見る眼を少しでも養いたい。続けてIIに進もう。2023/08/04
はっせー
58
読書友達から進めてもらった本。アートに興味はあるけど何から読んだらいいかわからない人にぜひ読んで欲しい。本書は西洋美術を解説した本になっている。わたし自身好きなフェルメールの解説もありとても良かった!フェルメールの絵を不思議な静けさという表現をしていた。確かにフェルメールの絵って高原のような存在かなって思った!2024/08/10
夏
37
本書は1969年に刊行された『名画を見る眼』を、カラー版として刷新し、主題となっている15の名画だけでなく、本文で言及した絵画、彫刻なども参考図版として収録したものだ。今となっては知らぬ人の方が少ない名画ばかりだが、この本が刊行された当時、日本ではどれくらいこれらの名画が浸透していたのだろうと気になった。画家の名前や絵画の名前など、今とは少し違う記し方が気になっていたのだが、なるべく当時の表記のまま残したと書いてあり納得がいった。下手に変えるより、当時のまま残しておいた方がいいものもある。★★★★☆2024/10/11




